奨学金を債務整理する条件とリスクの回避方法

「奨学金は債務整理できる?」
「奨学金を債務整理するリスクはある?」

と多くのご相談があります。

奨学金を債務整理することはできますが、奨学金には原則として家族などの保証人がついていて、債務整理をすることによって保証人に迷惑がかかってしまいます。ただし、奨学金の返済がむずかしい方が必ず債務整理をする必要があるとは言い切れません。

借り入れは奨学金のみなのか、奨学金以外にも貸金業者やクレジットカードの返済があるか、借り入れ総額は多いのか少ないのかなど、相談者様の状況は異なります。

ご相談者様の状況に応じて、債務整理をしたほうがいいのか、債務整理をしなくても返済をラクにできるかが変わるので、自分の状況に応じた対応をするためにも、正しい情報を確認するべきです。

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1) 債務整理の前に確認したい奨学金の救済制度

返済が必要な貸与型の奨学金は、大学や国から委託を受けた独立行政法人、利益を求めない公益性のある公益財団法人などの様々な団体から借りることができます。

奨学金を借りた団体によっては、返済がむずかしくなったときの救済制度があります。

奨学金の返済を延滞していなければ救済制度を利用することでブラックリストには載らずに返済をラクにできるので、奨学金の返済がむずかしくなった場合はまず救済制度があるかどうかを調べるべきです。

日本学生支援機構(JASSO)の救済措置

奨学金の団体として有名な日本学生支援機構(JASSO)には、毎月の返済を減らしてもらえる「減額返還制度」と、返済を待ってもらえる「返還期限猶予制度」があります。

減額返還制度

減額返還制度は、最長15年間にわたって月々の返済額を1/2~1/3に減らすことができる制度です。ただし、返済総額は減らないので減額返還をした場合は、完済までの期間が伸びることになります。

利息付きの奨学金の場合、減額返還をして完済までの期限が伸びたとしても利息が増えることはありません。奨学金を契約したときに選んだ返済方法で通常返済した場合の利息と借りた奨学金を合わせた金額が返済総額となります。

減額返還制度を利用するには、日本学生支援機構に減額申請をおこなって審査で認められる必要があります。1回の申請で12ヵ月まで申請ができて、毎年申請することで最長15年間の申請が可能です。

通常返済がむずかしい理由によっては、収入証明書や休職証明書など添付資料が必要になるので、どの資料が必要なのかを確認するべきです。

ただし、すでに奨学金の返済を延滞している場合は申請することができません

返還期限猶予制度

一定期間の返済を待ってもらえる制度を「返還期限猶予制度」といいます。返還期限猶予制度には「一般猶予」と「猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予」があります。

一般猶予

猶予年限特例・所得連動返還型無利子奨学金とは違う奨学金を借りていた場合に申請できる制度で、通算して10年まで返済を待ってもらえます

すでに返済を延滞している場合も申請が可能ですが、審査で認められる必要があります。返済が難しい理由によって年収に制限があったり、待ってもらえる期間が違うので、自分の状況の場合どのような条件があるのか、待ってもらえる期間がどれくらいかを確認するべきです。

一般猶予についてくわしく

猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予

猶予年限特例と所得連動返還型無利子奨学金は、奨学金を申し込むときに選択ができる奨学金の種類で、申請をすれば一定の収入を得るまで返済を待ってもらえる奨学金です。通算して10年まで返済を待ってもらえる一般猶予と違って、一定の収入を得るまで返済を待ってもらえます

猶予年限特例は平成29年度以降、所得連動返還型無利子奨学金は平成24年度~平成28年度に選択できる奨学金です。奨学金の貸し付けが開始されたときに発行されている「奨学生証」「貸与奨学金返還確認票」の右上に猶予年限特例または所得連動返還型無利子奨学金と記載されていれば該当しています。

JASSO以外の奨学金団体の救済措置

JASSOと同じで、ほとんどの奨学金団体には返済を待ってもらえる返還猶予の制度があります。JASSOと違うところは、月々の返済額を減額する制度がほとんどなく、一定の条件を満たせば返還を一部もしくは全額免除してもらえる団体があるというところです。

返還猶予や返還免除については各奨学金の団体によって条件や必要な書類、猶予してもらえる期間などが違うので、HPや電話で確認してください。

JASSO以外の奨学金団体の救済措置例
奨学金団体 返還猶予 返還免除
公益財団法人 味の素奨学金 ×
公益財団法人 日本通運育英会
公益財団法人 吉原育英会
公益財団法人 東京弁護士会育英財団
公益財団法人 山口育英奨学金 △(一部免除)
公益財団法人 樫の芽会

2) 奨学金を債務整理できる条件

返済を必要とする貸付型の奨学金には無利子の奨学金と有利子の奨学金がありますが、両方ともに債務整理ができます。また、延滞している奨学金も債務整理できるので安心してください。

債務整理には、任意整理・特定調停・個人再生・自己破産の4種類の手続き方法があります。任意整理と特定調停は貸金業者や奨学金団体と話し合いをすることで毎月の返済額を減らす方法で、個人再生と自己破産は裁判をおこなって毎月の返済額を減らしたり返済を免除してもらう方法です。

任意整理・特定調停

奨学金を債務整理するときには原則利用しない債務整理の種類が任意整理・特定調停です。

任意整理・特定調停は、将来発生する利息をカットしたうえで返済期限を伸ばして毎月の返済額を減らす方法ですが、奨学金の場合、利息が低く設定されているため利息をカットしても毎月の返済額はほとんど変わりません。さらに、返済期限が初めから長く設定されているため返済期限を伸ばすこともむずかしくなります。

また、奨学金は原則として保証人がついていて、任意整理・特定調停の話をした時点で奨学金団体は、保証人に返済の請求をするので話し合いをする必要がないのです。

ただし、奨学金以外に借り入れがある場合は、奨学金以外を任意整理・特定調停して毎月の返済額を減らすことで奨学金をそのまま支払っていくことができます。

奨学金の救済制度の利用と奨学金以外の借り入れを任意整理・特定調停することでさらに毎月の返済額を減らすこともできます。

奨学金の救済制度と任意整理・特定調停をしたとしても返済がむずかしい場合は、個人再生・自己破産を考える必要があります。

任意整理・特定調停についてくわしく

個人再生

個人再生は、借金の元本を最大で90%減らせる債務整理です。奨学金以外にも借り入れがある場合は、すべての借り入れを債務整理することになりますが、裁判所に認められれば大幅に借金の元本を減らすことが可能です。

借金を最大90%減らす個人再生

自己破産

自己破産は、借金をゼロにする債務整理です。奨学金以外にも借り入れがある場合は、すべての借り入れを債務整理することになりますが、裁判所に認められれば奨学金も含めた借金をゼロにすることができます。

自己破産で借金をゼロにするには

3) 奨学金を債務整理するリスク

借金を債務整理をするとブラックリストに載るということは広く知られていますが、奨学金を債務整理するリスクはブラックリストに載ることだけではありません。

貸金業者などからの借り入れと違って奨学金には原則として保証人がついています。奨学金を債務整理すると奨学金を借りた団体から保証人・保証会社に奨学金の返済請求がいくことになります。奨学金の保証人が家族なのか保証会社なのかによってリスクが異なります。

奨学金団体によっては個人再生・自己破産をすると返済を免除してもらえる可能性があります。必要書類を添付して申請する必要がありますが、申請が認められて返済が免除されれば、奨学金の保証人となっている家族・保証会社に請求がいくことはありません。

自分が奨学金を借りた団体が個人再生・自己破産をすることで返済を免除してもらえるかは、奨学金団体に直接確認してください。

保証人である家族に返還請求がいくリスク

家族に債務整理をしたことがバレる

家族が奨学金の保証人になっている場合、内緒で債務整理をしたとしても、家族に奨学金の返済請求がいくので債務整理をしたことがバレてしまいます

ただし、奨学金以外で家族が保証人に付いていない借り入れを任意整理・特定調停した場合、奨学金の返済請求が家族にいくことはないので債務整理をしたことがバレにくいです。

家族が返済をする必要がある

奨学金の保証人である家族は、債務整理した本人の代わりとなって奨学金を全額返済していかなければいけません。家族も返済がむずかしい場合は、一緒に債務整理をしなければならない可能性があります。

保証会社に返還請求がいくリスク

任意整理・特定調停・個人再生をした場合

保証会社が保証人になっている場合に債務整理をすると、借りた本人の代わりに保証会社が奨学金を返済します(代位弁済)。保証会社が代位弁済すると、借金(奨学金)を請求する権利(債権)は奨学金団体から保証会社に移ります。

債権が保証会社に移ることで、代わりに払った奨学金の金額を奨学金を借りた本人に請求することができるようになります。原則として保証会社から返済を求められるときには分割ではなく一括で支払うように要求されます。

一括で支払うことができなければ、裁判をおこされて住宅・自動車・預金などの財産を差し押さえられるリスクがあります。

自己破産をした場合

自己破産をして借金の支払い義務がなくなった(免責)場合は、奨学金の支払い義務についても免除されます。保証会社が代位弁済をしたとしても、あとから請求されることはありません

4) 奨学金の返済を延滞するとおこるリスク

奨学金団体の救済制度が利用できなかったり、債務整理のリスクを恐れて奨学金の返済を延滞すると、3つのリスクが発生します。

延滞金がかかる

奨学金が無利子・有利子どちらでも、返済を延滞すると延滞金がかかります。延滞金は奨学金の利子よりも高いことがあって、延滞することでより多くの金額を支払わなければいけなくなるリスクがあります。

ブラックリストに載る

奨学金を3カ月以上延滞すると、原則としてブラックリストに載ります。ブラックリストに載った場合、新しい借り入れができなくなる、クレジットカードが強制解約になり使えなくなるリスクがあります。

財産が差し押さえされる

奨学金を延滞し続けると、裁判をおこされて住宅・自動車・預金などの財産が差し押さえられるリスクがあります。裁判で判決が出たあとは差し押さえをストップすることがむずかしいので、すでに延滞している方はなるべく早めに司法書士・弁護士に相談して下さい。

過払い金請求、債務整理は無料相談をご利用ください。

ひとりで悩まず、まずは相談ください。 0120066018 0120068027 0120065039 0120069034 0120067009 0120070146 0120131025 過払い金請求のお問い合わせ

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