借金の取り立ては怖いの?取り立てをストップさせる方法
「借金の取り立てがきてしまった時はどうすればいいの?」
「取り立てを無視し続けるとどうなるの?」
といったご相談を受けることがあります。
借金の返済が滞って取り立てがはじまってしまった際、お金が工面できないからといって取り立てを無視し続けていると、滞納した日数分の遅延損害金を請求されるのに加えて、場合によっては給与や財産が差し押さえられる可能性があります。
借金の返済が苦しい場合は取り立てを無視するのではなくて、貸金業者に今後の返済について相談するか、司法書士・弁護士に相談して借金を減額したりゼロにする債務整理おこなうなどの正しい対処が必要ですのでくわしくお伝えします。
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借金取り立ては怖いの?取り立ての方法や実態
取り立てと聞くと、昼夜問わず自宅に来て返済を促す暴力的 で怖いイメージがありますが、借金の取り立て方法は貸金業法によって規定されているので、厳しい取り立てがおこなわれることはありません。
もし、自宅に深夜くる、大声を出されるなどの行為があった場合は、警察や金融庁、司法書士・弁護士等に相談してください。
法律で禁止されている取り立て方法
貸金業法第21条第1項では、貸金業者が取り立てをするにあたって、債務者の私生活や業務の平穏を害する言動をすることや、 威迫したりしてはいけないと規定されていて、 同法の中ではどんな取り立てをしてはいけないのか具体例も明記されています。
例えば、返済を促すために、正当な理由がないのにも関わらず夜21:00〜翌朝8:00の間に、債務者へ電話をかけることや債務者の自宅に訪問すること、債務者の勤務先への電話・FAX・訪問は一切禁止されています。
また、借金の存在や返済を滞納している事実を債務者の周囲の人に伝える・債務者の代わりに債務者の家族や友人などへ返済を迫る・取り立ての際に暴力的な態度を取る・他の貸金業者から借金させて返済を強要させる・債務者や親族に対して受任者の氏名や受任内容の記載がない白紙委任状への署名捺印の要求することなども禁止されています。
違法な取り立てがあった貸金業者は、2年以下の懲役あるいは300万円以下の罰金に処されます。
家や職場に電話・訪問されることはあるの?
近年、貸金業法が改正されて取り立てに関する規制が強化されたため、貸金業者は正当な理由なく夜21:00〜翌朝8:00の間、債務者に対して電話や訪問で取り立てすることはできなくなりました。
ただし、遅い時間や早朝でなければ自宅への電話・訪問による取り立ては問題ありません。
実際、返済期限を1~2週間すぎるとハガキや封書、無視を続けると電話での取り立てが行われます。
電話での取り立て後、貸金業者が自宅に来る可能性もゼロではありませんが、現在、大手消費者金融では訪問での取り立てをほとんどおこなっていないため、貸金業者が自宅に来る可能性は低いです。
職場やバイト先など自宅以外の場所での取り立てについては、貸金業法で禁止されているため、基本的に貸金業者から職場に電話があったり担当者が直接取り立てに来たりすることはありません。
引越しして住民票を移しても取り立ては来る
引越しをすれば取り立てから逃れられると考える方もいますが、貸金業者は債務者の利害関係人となるので、契約書や申込書があれば貸金業者でも住民票を取得できます。
実際、役所でも本人あるいは同一世帯員以外の第三者に正当な理由があれば、委任状等がなくても住民票を請求することができると明記されています。
住民票を確認できるということは所在を知られることですので、引越しをして住民票を移したとしても取り立てを止めることはできません。
むしろ、結婚や転職などのライフステージが変化することで資産や収入が変わることから、取り立ての好機と見なされることも多くあって、 これまで取り立てがなかったのに引越ししたタイミングで取り立てがはじまるケースもあります。
借金の取り立てを無視するとどうなる?
「取り立てられても返済ができない」と無視を続けていると様々な問題が生じてしまいます。
返済ができないからといって無視をするのではなく、正しく対処することが大切です。
遅延損害金が発生してさらに負担が重くなる
返済を滞納すると、返済が遅れてしまった際に払わなくてはならない損害賠償金である遅延損害金が発生します。
遅延損害金は、返済期限日から実際に返済がおこなわれる日まで毎日発生します。
つまり、9月15日が本来の返済期限日で、実際に返済をしたのが9 月20日だった場合、本来返済する額に加えて5 日分の遅延損害金を支払う必要があります。
また、遅延損害金の上限は利息の上限利率の1.46倍なので、返済が1 日遅れただけでも負担が大きくなってしまうため、取り立てを無視すれば無視するほど負担が重くなってしまいます。
信用情報にキズがつく(ブラックリストに載る)
一定期間、督促を無視して返済をおこなわないでいると、信用情報に返済を延滞した事故情報が登録されて、ブラックリストに載ってしまいます。
ブラックリストに載ってしまうと、延滞している貸金業者はもちろん、他の業者から新たな借金をしたりクレジットカードやローンの新規申し込みをしたりすることが一切できなくなります。
家族や職場の人に借金滞納の事実がバレてしまう
貸金業法が改正されたため、債務者の家族に対しての取り立て行為や自宅以外の場所への連絡は基本的に違法ですが、貸金業者からの督促の電話をなんども無視すると自宅に督促状が届いて、 勤務先に電話が来たりする可能性があります。
初期段階の取り立てであれば、封書の差出人が「〇〇サービスセンター」のような別の名前になっている、会社名を名乗らず担当者名だけなのって電話をかけてくるなど、家族や周囲の人に知られないようある程度の配慮があります。
しかし、それでも取り立てを無視し続けていると、会社名を明示して電話をかけてきたり書類を送付したりするため、有名な消費者金融だと名前だけで借金の事実がバレてしまいます。
強制執行により給与や財産が差し押さえられてしまう
取り立ての電話やハガキ、支払い期日と滞納金額が明記された催告書が来ても無視を続けた場合、貸金業者は支払督促の裁判手続きに移ります。
支払督促の手続きは、債権者の申し立てによって簡易裁判所の書記官が債務者に対して金銭の支払いを命じる制度のため、申し立てが認められると今度は裁判所から督促を受けます。
裁判所の督促にも応じず返済をしないままでいると、強制執行が可能になるため、給与や財産が差し押さえられることになるので、財産を手放さなくてはなりません。
家族には影響はない
基本的に、債務者の家族や親戚に対して貸金業者が取り立てをおこなうことは禁止されているため、家族や親戚には返済義務がなく、債務者名義のものでなければ財産を差し押さえられる心配もありません。
ただし、家族や親戚が債務者の保証人になっている場合、返済義務が生じるため取り立てがおこなわれる可能性は十分にあります。
借金取り立ての基本的な流れ
①追加の借金・融資ができなくなる
借金の返済を滞納すると、まず、滞納先の貸金業者から追加で借金したり新しく融資してもらうことができなくなります。
②電話での取り立てがおこなわれる
貸金業者から携帯や自宅に取り立ての電話がかかってきます。
あまりにも債務者と連絡が取れない場合は、勤務先にも電話がかかって来るので、できるだけ自宅や携帯に連絡がはいった時点で対処するのが望ましいです。
③督促状・催告書が送られてくる
督促状は速やかな入金を促すための書類ですが、催告状は支払い期日と滞納金額が明記された書類です。
④裁判所からの督促
督促状や催告書での取り立ても無視した場合、貸金業者は支払督促の手続きをおこなうため、裁判所からも支払いの督促が来ます。
⑤強制執行
裁判所からの督促を無視し続けると、強制執行認められるので、財産が差し押さえられます。
債権回収会社(サービサー)が取り立てを代行するケースもある
消費者金融のキャッシングやローンの返済を滞納したままの場合、債務者から返済してもらう権利が、利用した消費者金融から関連の債権回収業者( サービサー)に譲渡されることが多いです。
基本的に、債権回収会社からの取り立てになったからといって取り立てが厳しくなることはないですが、債権回収会社は電話などでの取り立てをあまりせずに、財産を差し押さえるため、支払督促による強制執行の手続きを始める傾向があります。
消費者金融のキャッシングやローンの場合、特に一刻も早く対処する必要があります。
借金の取り立てがきたときの対処法
借金の取り立てが来た場合はできるだけ早く対処することが必要です。
借入先に今後の返済について相談する
借金の取り立てがきたら、すぐに滞納しているキャッシングやカードローン、クレジットカードの会社に連絡をして、今後の返済について相談すべきです。
返済期日を延長する、返済額を一時的に減額するなどの提案をしてくれる可能性もあるので、出来るだけ早く貸金業者に連絡することが大切です。
初期段階での取り立てで、厳しい対応をされることは少ないです。
「返済期日を過ぎていますが、お忘れではないでしょうか?」といった柔らかい対応であることがほとんどなので、遅延損害金が増える前に対処するのが望ましいです。
違法な取り立てをされたら警察などに相談を
取り立て方法は貸金業法によって規定されていますが、お金を用意できないことを理由に暴力を振るう、早朝や深夜に取り立てに来る、近所の人の目に触れる場所に張り紙や看板を立てて第三者に借金をしていることを分からせるなど、債務者の私生活を脅かすような違法な取り立てがおこなわれた場合は、警察や金融庁、日本貸金業協会や全国銀行協会などの各機関か、借金問題に強い司法書士・弁護士へ相談することが大切です。
取り立ての様子を録音・録画したデータがあれば相手方を罪に問える可能性があります。
時効の援用ができないか検討する
貸金業者からの借金は最後に返済した日から5年が経っていれば時効が成立するため、滞納したまま長らく放置していた場合は、借金の消滅が認められる可能性があります。
借金の消滅を認めさせるには、貸金業者へ時効を迎えていることを主張( 援用)する時効援用の手続きが必要です。
ただし、5年の間に途中で返済をしてしまう、支払いの約束をするといったことがおこなわれると、時効のカウントがリセットされるので時効援用ができません。
また、どの貸金業者も、時効が成立する前に支払督促の申し立てをするのが一般的なので基本的に時効援用が出来るケースは限られています。
時効援用の可能性がある場合は、取り立てが再度始まってしまう前に司法書士・弁護士へ相談すべきです。
債務整理して督促をストップする
月々の返済が厳しくなってしまう場合や返済しても借金が減らない場合は、司法書士・弁護士に相談して、借金を減額したりゼロに出来る債務整理をおこないます。
債務整理を依頼された司法書士・弁護士は、まず 債務者の代理人となって債務整理手続きをすることを明記した受任通知を送付します。
受任通知が送付されると、貸金業者が債務者に直接連絡することができなくなるので、取り立てをストップするうえ、返済も一時的に待ってもらえます。
精神的・金銭的に負担となっていた取り立てや返済から一旦解放されるので、手続きが終わるまでの間にご自身の生活を立て直すことも可能です。
債務整理の手続きには、将来の返済で発生する利息をカットして減額した借金を3〜5年で返済していく任意整理・自宅などの財産を残したまま借金を最大で90%カット出来る個人再生・財産のほとんどを処分する代わりに借金をゼロにできる自己破産の3つがあります。
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