借金はいくらからやばいかと危険ラインを超えたときの対処法

「借金はいくらあるとやばいの?」

と多くのご相談があります。

借金がいくらからやばいかは人によって異なるため、適切な判断基準や借金を放置するリスクを理解しておかないと、気付いたときには取返しのつかないほど借金が膨れ上がって、自力では返済できない事態に陥ってしまう可能性があります。

借金がやばくなる前に知っておきたい、借金の危険ラインの判断の仕方や、借金がやばくなってしまったときの対処法をお伝えします。

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借金はいくらからやばいのかの基準

借金がいくらからやばいのかは人によって異なりますが、判断するポイントになるのは、年収や経済状況と、借金をした理由です。

例えば、生活や仕事に必要で、資産となり得る車や住宅の購入資金を返済可能な範囲内で借りるのは問題ないケースが多い一方、借金したお金をギャンブルや趣味に無計画につぎ込んでいると、やがて返済できなくなって給与などを差し押さえられてしまうリスクもあります。

借金がどのくらいあるとやばいのか、具体的な基準の考え方をお伝えします。

借り入れ総額が年収の1/3を超えている

借金が年収の1/3を上回ると返済が難しくなる可能性が高いため、貸金業法では総量規制というのが定められていて、年収の1/3を超える貸金業者からの借り入れはできないようになっています。

しかし、総量規制には銀行のローンなどは含まれていないため、実際には年収の1/3を超えた借金を抱えているケースは少なくありません。

また、貸金業者からの借り入れであっても、住宅ローンや自動車ローンなどの例外貸付や、おまとめローンや事業者ローンなどの除外貸付も総量規制の対象外です。

自分で借金の総額を計算してみて、年収の1/3を超えているようなら危険水準だと考えるべきです。

月の家計収支がマイナスになっている

借金があっても、安定した収入があって毎月の家計収支がプラスになっていれば、余裕を持って返済できる可能性が高いですが、収入よりも支出が多く、返済を滞納するほど経済状況が逼迫しているなら借金が少額でも危険だと言えます。

月ごとの支出の変動やボーナスなども考慮して、年間の収支から月間の平均収支を計算するとより正確な把握ができます。

返済額に占める利息割合が半分以上になっている

一つの目安として、返済額に占める利息割合が半分以上になると、借金がなかなか減らず返済額も想定以上に多くなってしまいます。

金利15%で100万円の借金をした場合、毎月2万円ずつ返すとなると、最初の返済額のうち約12,500円が利息で、元金は7,500円しか減らず、返済期間は6年以上、総返済額は150万円以上となります。

長期間返済が続けていても一向に借金が減らないと感じている場合は、月々の返済額を増やして返済期間を短くするなど返済計画を見直すべきです。

借り入れ当初より借金額がどんどん膨らんでいる

最初は急に現金が必要になって5万円だけ借金しただけだったはずが、気付けば10万円、20万円、50万円、100万円と借り入れを繰り返してどんどん増えていってしまったケースは要注意です。

カードローンやキャッシングは気軽に利用しやすいため、ATMで預金を引き出すような感覚になって、返済計画や借金総額を意識しないまま借金を重ねることで、やがて返済能力を超えた金額に膨れ上がってしまうリスクがあるのです。

特に、クレジットカードの利用金額にかかわらず、あらかじめ設定した一定の金額を毎月支払うリボ払いを利用していると、月々の支払額は大したことがないのに、気付いたときには想定を遥かに超える支払残高になってしまうケースが多くあります。

返済を滞納したことがある

返済を滞納したことがある場合は、借り入れ状況がすでに返済能力を超えてしまっている可能性が高いと言えます。

返済を滞納する状態が続くと、遅延損害金の発生や財産の差し押さえといった事態に発展するため、早めに対処すべきです。

2社以上から借金をしている

複数社から借金をしていると、借金の全容を正しく把握できていなかったり、現実的な返済計画を立てられていなかったりする可能性が高くなります。

また、借金の金利は貸金業法によって上限が定められていますが、元本が少なくなるほど上限金利が低くなるため、小口の借金を複数借りていると返済負担が重くなるリスクがあります。

自転車操業になっている

借金返済のための資金がなく、他社からまた借金をして返済に充当する自転車操業を続けると利息がかさんで借金残高がどんどん膨らんで、やがて返済能力を超えてしまいます。

また、無限に借り入れを繰り返せるわけではないため、いつかは新規の借り入れができなくなって家計が破たんするリスクがあります。

闇金から借金している

闇金は貸金業法の上限金利を遥かに上回る違法な高金利で貸付する業者ですが、安定した収入がない、総量規制を超えて借り入れしている、ブラックリストに載っている、といった理由で正規の貸金業者から借金できない人でも利用できることが多くあります。

しかし、闇金を利用せざるを得ない時点で家計が破たんしている可能性が高くて、暴利で貸付してくる闇金は返済負担が非常に重くなっていて、滞納したときの取り立ても厳しくおこなわれます。

闇金に手を出す前に、司法書士などに相談して借金問題を解決すべきです。

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借金を放置するリスク

人間関係が悪化してしまう

借金する癖がついてしまうと家族や友人、仕事相手からの信用を失って、これまで築いてきた人間関係に傷をつけてしまう可能性があります。

お金の無心をされるなど面倒事に巻き込まれたくないと距離を置かれて、経済的余裕がないために遊びの誘いを断らざるを得なかったりするケースもあります。

借金が増えるほど利息の負担は重くなる

借金が増えて返済期間が延びるほど利息の負担が増大して、総返済額は大きくなります。

可能な限り毎月の返済額を多くして、なるべく早く返済できるようにするのが重要です。

現状の利息では完済するのは難しい場合は、司法書士などに相談して利息カットにより返済負担を軽減できる任意整理を検討すべきです。

100万円の場合(上限金利である年15%で計算)

毎月の返済額 完済までの期間 総返済額
20,000円 79か月 1,579,052円
30,000円 44か月 11,301,674円
50,000円 24か月 1,157,936円

200万円の場合(上限金利である年15%で計算)

毎月の返済額 完済までの期間 総返済額
40,000円 79か月 3,158,176円
50,000円 56か月 2,789,895円
100,000円 24か月 2,315,885円

300万円の場合(上限金利である年15%で計算)

毎月の返済額 完済までの期間 総返済額
60,000円 77か月 4,735,149円
90,000円 43か月 3,904,650円
150,000円 23か月 3,473,534円

遅延損害金が発生する

借金の返済を滞納すると、支払期日の翌日から返済するまで遅延損害金が発生して、元金と利息に上乗せして支払わなければなりません。

遅延損害金の利率は利息制限法に定められた上限20%いっぱいで設定されているケースがほとんどで、例えば借金残高100万円の返済が30日遅れた場合は、100万円×20%÷365日×30日=16,438円の遅延損害金が発生します。

任意整理や個人再生などの債務整理をすることで、遅延損害金を免除した上で借金を減額することが可能です。

督促状が届いて家族に借金がバレる

遅延損害金が発生した後も返済を滞納したままでいると、数日後には貸金業者から督促の電話や通知が来て、1~2か月後には内容証明郵便で催告書が届くため、家族に借金を隠していた場合はバレてしまう可能性が高くなります。

司法書士などに債務整理を依頼することで、借金返済の督促をストップできます。

財産が差し押さえされる

催告書が届いた後には残りの借金や遅延損害金が一括請求されますが、それでも滞納を続けていると、債権者が裁判所に支払督促の申し立てをおこなう可能性があります。

支払督促とその後に届く仮執行宣言付支払督促に対して異議申し立てをせず、指定期日までに支払をしない場合は、裁判所の強制執行により給与や預金などの財産が差し押さえられてしまうリスクがあります。

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借金がやばいときの対処法

借金の状況を正しく把握する

まずは、どの業者からいくら借りているのか確認して、家計収支と月々の返済額を照らし合わせて現実的な返済計画を立てるのが先決です。

この時点で自力での返済が難しいことが判明したら、すぐに頼れる親族や司法書士などの専門家に相談すべきです。

返済額を増やして早期返済を目指す

借金の利息は返済期間が長くなるほど多くなるため、なるべく負担を軽減するためには早期完済を実現することが重要です。

返しても返しても借金が減らない場合は、生活に支障をきたさない範囲で月々の返済額を増やすべきです。

今以上に借金をしない

借金の原因となったギャンブルやスマホゲームを自粛する、クレジットカードやローンカードにハサミを入れて手放すなど、今以上に借金をしない対策も必要です。

借金を返済するお金がないからといって他社でさらに借金を重ねるのは、状況を悪化させるだけなので避けるべきです。

支出を見直す

早期返済を目指すためには、徹底的に倹約して家計収支のプラス幅を増やすのが有効です。

ギャンブル費用や娯楽費などを削減するのはもちろん、日常生活にかかる支出も見直すべきです。

食費:自炊して外食を控える 水道光熱費:節電・節水に努める、湯船につからずシャワーで済ませる 通信費:格安スマホに切り替える 交通費:なるべく徒歩や自転車で移動する

収入を増やす

家計収支を改善して月々の返済額を増やすためには、副業する、フリマで不用品を売る、転職して年収をアップする、といった方法で収入を増やすのも効果的です。

親族に相談する

自力での返済が難しい場合は、親や兄弟などに相談して援助してもらうのも一つの方法です。

一時的に立て替えてもらって借金を完済し、分割して返していけば利息負担を負わずに済みます。

頼れる親族がいれば検討したい方法ですが、お金の問題によって関係に亀裂が入ってしまわぬよう注意が必要です。

借金をまとめて一本化する

複数の業者から借金をしていた場合は、より低い金利の業者でまとめて借り換えることで返済負担を減らせます。

例えば、2社でそれぞれ50万円の借金を金利18%で借りていた場合、別の会社で100万円を金利15%で借りて返済先を一つにまとめれば、利息負担を軽減できます。

債務整理する

司法書士などに依頼して債務整理することで、合法的に借金を減額できます。

利息をカットして借金を減らせる任意整理

任意整理は、貸金業者と交渉して借金の利息をカットした上で、返済期間を3~5年に延長することで返済負担を軽減できる手続きです。

安定した収入があるが借金の負担が重くて生活が苦しい、返済を続けていても元本がなかなか減らないという場合はまず任意整理を検討すべきです。

任意整理をくわしく

借金を最大90%減額できる個人再生

任意整理によって利息をカットして返済期間を延ばしても返済が難しい場合は個人再生が適しています。

個人再生では利息ではなく借金の元本そのものを最大で90%減額できて、返済の負担を大きく減らせます。

すでに給料などの差し押さえが始まっていても、個人再生を進めることで差し押さえをストップさせることが可能です。

借金をゼロにできる自己破産

任意整理や個人再生をしても借金の返済が難しい場合は、自己破産を検討します。

借金返済の見込みがない(支払不能)であることが裁判所に認められれば、財産を処分して借金をできるだけ返済する「破産」手続きをした上で、借金をゼロにする「免責」によって原則返済が不要となります。

自己破産をくわしく

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みんなどれくらい借金をしているの?

2人以上世帯 借入金がある(%) 平均残高(万円) 住宅ローン平均残高(万円)
総数 42.9 1,609 1,480
20歳代 40 478 211
30歳代 62 2,367 2,326
40歳代 65 2,058 1,746
50歳代 56 1,316 1,242
60歳代 31 691 619
単身世帯 借入金がある(%) 平均残高(万円) 住宅ローン平均残高(万円)
総数 17.6 513 326
20歳代 16.3 193 20
30歳代 18.5 565 384
40歳代 21.6 909 674
50歳代 19.7 383 295
60歳代 13.8 523 273

2020年の金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯は17.6%が借金をしており、平均残高は513万円(うち住宅ローン326万円)、2人以上世帯は42.9%が借金をしており、平均残高は1,609万円(うち住宅ローン1,480万円)となっています。

2人以上世帯はローンを組んで住宅を購入するケースが多いため、総借入残高は大きい傾向にありますが、住宅ローンを除いた残高は2人以上世帯で129万円なのに対して、単身世帯では187万円と単身世帯の方が多いのです。

20歳代で借金をしている世帯の割合は、単身世帯で16.3%、2人以上世帯で40%で、平均残高は単身世帯で193万円(うち住宅ローン20万円)、2人以上世帯で478万円(うち住宅ローン211万円)となっています。(出典:https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/)

借金がやばくなってしまう人の特徴

失業や転職で収入が減少した

借金をする理由として最も多いのは、収入が少ないことです。

しかし、生活が苦しくて借金をするときは、現実的な返済計画を立てることが重要です。

また、余裕を持った返済計画を立てていないと、当初は契約通りに毎月きちんと返済ができていても、失業したり転職に失敗したりして収入が減少した途端に返済不能になって破たんしてしまうリスクがあります。

大きな病気やケガをした

継続的な通院・入院が必要な大きな病気やケガに見舞われてしまうと、これまで通り働けなくなって収入が減少するとともに、医療費の出費によって家計が圧迫され、一時的に借金に頼る人もいます。

借金をする際は、いつごろ快復して仕事に復帰できそうか、きちんと目途を立てた上で返済できる範囲内にとどめる意識を持つべきです。

住宅を購入した

住宅ローンは購入する住宅そのものを担保にするため多額の借り入れが可能ですが、余裕を持って返済できる水準を超えて契約できてしまう可能性もあります。

また、変動金利で借りたために途中で返済額が増加した、失業や転職によって収入が減少したといった問題により返済が困難になって、他社で借金して返済に充てるケースもあるのです。

ギャンブルがやめられない

パチンコ、パスチロ、競馬、競艇などギャンブルをするための借金は繰り返して膨らんでしまうケースが多くて、借金がやばくなってしまう大きな原因の一つです。

問題だと分かっていてもやめられない、依存症になってしまっているときは親族に協力してもらったり、カウンセリングを受けたりすることも検討すべきです。

スマホゲームで課金を繰り返している

最近ではスマホゲームの課金を繰り返す中で経済的に困窮し、借金をしてしまうケースが増えていて、自己破産の申立書にも借金の理由を選択する項目として「スマホ課金」が追加されているほどです。

スマホゲームの課金は高額になるほど罪悪感が薄れ、楽しい、もっと課金したいという気持ちが強くなると言われているため注意が必要です。

クレジットカードのリボ払いを利用している

リボ払いの一般的な年利は15%と消費者金融と同等の利息負担があるれっきとした借金の一つですが、借金をしているという意識がしづらいのが特徴です。

毎月決まった金額が引き落とされているのに半分以上が利息でほとんど元本が減らないまま、追加でリボ払いによるショッピングを重ねることで、どんどん残高が膨れ上がってしまうリスクがあります。

見栄っ張りな性格

自分を大きく見せようと高級ブランドに身を包んだり、良いところを見せようと気前良く後輩に奢ったりする傾向がある人は、借金をしやすい可能性があります。

見栄を張って自身の経済力を超えたお金の使い方をしようとして借金を繰り返していると、やがて破たんしてしまうリスクがあるため、身の丈に合った生活を心掛けることも必要です。

ストレス発散のための浪費癖がある

服やバッグ、アクセサリーなどのファッション用品や、アニメやアイドルのグッズ、フィギュアといった趣味に無計画にお金をつぎ込む癖がある人も借金まみれに陥りやすい危険性があります。

特に高額の買い物を現金ではなくクレジットカードで決済しがちな場合は、借金している意識がないまま請求額が膨れ上がって、代金返済のために消費者金融で借金をするリスクもあります。

家計のお金の流れを把握していない

毎月の収入がいくらあって、何にどれだけお金を使っているかといった家計の収支状況を正確に把握できていない場合は、無計画に支出が増えて赤字になる危険性があります。

借金をする場合も、収入と支出、返済額とのバランスを考慮した上で、無理のない現実的な返済計画を立てるべきです。

新しい事業のための資金を調達した

新しく事業を立ち上げるために借金をした場合、事業が上手くいかず想定通りの利益が得られないと返済が滞ってしまう可能性があります。

事業性ローンでは事業計画や安定性を審査した上で融資が実行されますが、フリーローンで借りたお金を事業資金にする場合は、自身でリスクをきちんと評価することが重要です。

無職なのに借金をしている

無職で収入がないのに借金がある状況では、早晩返済不能に陥ってしまう可能性が高くなります。

収入がないと貸金業者からの借り入れは難しいからといって返済資金を確保するために闇金に手を出すとさらに状況が悪化してしまいますので、早めに司法書士などの専門家に相談すべきです。

生活費のために借金をしている

毎日の生活が苦しくて、生活費のために借金をしている場合は、早めに経済状況を改善しない限り借金生活から脱却するのは難しくて、何かの事業で収入が減った途端に生活が破たんしてしまうリスクがあります。

支出を切り詰めるのには限界があって、すぐに大きく収入を増やすのは難しいため、債務整理して借金問題を解決すべきです。

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