自己破産とは国が定めたメリットの大きい借金解決の手続き

「自己破産って何?」

と多くの方にご相談をうけます。

自己破産すると、全ての借金の返済を免除してもらえます。

ただ、自己破産はデメリットが大きいように感じますが、誤解されていることも多くあります。自己破産を怖がって借金を放置していると、最終的には財産を差し押さえられてしまうので、自己破産に関する正しい知識をくわしくお伝えします。

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自己破産とは?自己破産の種類

自己破産とは、裁判所に申請をして免責という決定をしてもらうことで、借金などの負債がゼロになる手続きです。

銀行カードローン、クレジットカードなどの借金は完全になくなって、未払いの家賃やスマホ代なども免除してもらえます。

非常に強い効果がありますが、自己破産は破産法という法律で認められている制度で正当な手続きなので、不安を感じる必要はありません。

自己破産の種類

自己破産には同時廃止事件、少額管財事件、管財事件という3つの種類があります。

事件とはいっても一般的なイメージとはちがって、裁判所でおこなう案件という程度の意味なので気にする必要はありません。

同時廃止事件

同時廃止事件は、手間もかからず比較的短期間で終わる自己破産の手続きです。

申立をして破産手続開始決定が出ると、同時に廃止決定が出て破産手続きが終了して、あとは免責の判断がおこなわれます。

同時廃止になるのは財産がまったくない、あるいはほとんどない人です。

自己破産の際には財産をお金に換えて債権者に配当するのが原則ですが、財産がない場合には配当ができないので同時廃止事件となって、配当をせずにすぐに免責の判断をおこないます。

破産する人の多くは同時廃止事件となって免責を受けられますが、同時廃止では財産はなくならない特徴があって、管財事件と比べても手続き費用が安く済みます。

管財事件

管財事件は原則的な破産手続きで、破産者の財産を現金化して債権者へ配当する事件です。

同時廃止にならない場合には管財事件となって、最低限度を超える財産のある人や重大な免責不許可事由のある人に適用されます。

管財事件になると裁判所によって破産管財人が選任されて、破産者の財産を現金に変えて債権者に配分してもらわなければなりません。

最低限度を超える財産はいったんすべて失われるので、持ち家は手放す必要があって預金や保険、車などがなくなる可能性もあります。

財産の現金化の最中には月1回程度裁判所で債権者集会が開かれて破産者も出頭しなければならず、時間も費用もかかるため債務者に負担の大きくなる手続きです。

少額管財事件

管財事件の中でも小規模な場合、弁護士に依頼していると少額管財にしてもらえるケースが多数あります。

少額管財とは、専門知識を持った弁護士が代理人として活動する場合に小さな管財事件を迅速に手続きを進めるための事件です。

少額管財では管財人に納める費用も安く済ませられるメリットもありますが、実際の運用は東京地方裁判所など一部の地方裁判所での運用であるので、適用できるかどうかはケースバイケースです。

自己破産ができないケース

借金の支払い能力があると判断された場合

破産するには、破産者が支払不能でなければなりません。

支払不能とは収入や資産、負債の状況から客観的に今後の債務の支払いができないと判断できる状態です。

破産したくても、裁判所が支払えると判断すると支払不能の要件を満たさず破産手続きを開始してもらえません。

支払不能については収入や借金が個別に多いか少ないかではなくて、総合的に判断されます。

たとえば収入が少なく借金が多くても、多額の財産を持っていれば支払能力があると判断される可能性がある一方、収入が多くて多額の財産があっても借金額が大きすぎると支払不能と判断されるケースもあります。

資格制限が問題になる場合

自己破産はどのような職業の人でもできるため無職であっても問題ありません。

ただし裁判所での手続き中は就業できない職業がいくつかあって、一時的に制限されます。

資格制限される職業の例

職業制限を受けても一時的に休職すればよいだけなので免責を受ければ復職できますが、自己破産には3~6か月程度はかかるので、その間は就業ができません。

仕事をどうしても休めない方は自己破産をあきらめざるをえないケースもあります。

免責不許可事由

自己破産をする目的は免責によって借金をゼロにしてもらうことですから、免責を受けられなければ意味がありません。

破産法252条1項には免責を許可しない事情がいくつか定められていて、該当すると免責を受けられず借金が免除されない可能性があります。

免責を許可しない事情を免責不許可事由といいます。

免責不許可事由に該当する行為

非免責債権

自己破産をすると借金を含めてほとんどの負債はゼロにしてもらえますが、自己破産後も支払わねばならない負債を非免責債権といいます。

自己破産したほうがよいケース

返済の見込みがない場合

収入と返済額、手持ち財産額を総合的に考慮して完済できる見込みがなさそうなら、自己破産も視野に入れて検討しなければなりません。

特に、1つの借金を返済するために別の業者から借金をする自転車操業状態になっている場合、自己破産でなくとも必ず借金を整理するための債務整理をおこなって解決すべきです。

借入先が複数ある場合

複数のカード会社や銀行などの業者から借金している場合、今後の返済が難しくなる可能性が高い状況です。

特に、すでに滞納しているのであれば、自己破産も視野に入れて検討すべきです。

高額な資産がない場合

不動産や車、株などの資産があれば売却して借金を返せますが、売るものもなければ自力返済は困難となるので債務整理を検討すべきです。

債務整理には自己破産以外に任意整理や個人再生の方法もありますが、自宅や高額な預貯金、価値の高い自動車などの目立った資産がないなら、借金を完全免除してもらえる自己破産が有効となるケースが多数です。

任意整理や個人再生の場合、返済条件は緩くなりますが借金を減額するだけなので返済を継続しなければなりません。

自己破産であれば借金が完全になくなるので、新たな一歩を踏み出しやすくなって、財産がない方であれば失う物もありません。

手続き後のブラックリスト期間は自己破産よりも任意整理の方が短くなりますが、返済期間や滞納リスクを考えると自己破産した方が根本的な解決となります。

なお個人再生と自己破産のブラックリスト期間は同等です。

相談する前に抑えておくべき

自己破産に必要な書類

自己破産をするには裁判所に多数の書類を提出しなければならず、必要書類の種類は破産者の職業や状況によって異なります。

代表的なものを示します、状況によっては他にも必要となる書類があるので、くわしくは依頼している司法書士などに確認すべきです。

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自己破産のデメリット・メリットと誤解

自己破産というとデメリットばかり強調されますが、法律によって認められる正当な借金救済手段でメリットの非常に大きな手続きです。

世間のマイナスイメージには誤解も多いので合わせてご確認ください。

自己破産のメリットとデメリットの詳細を知りたいなら

自己破産のデメリット

自己破産をするデメリットは主に8つあります。

ブラックリストに登録される

債務整理をするといわゆるブラックリスト状態になります。

ブラックリスト状態とは信用情報機関の個人信用情報に事故情報が登録されてローンやクレジットカードを使えなくなった状態です。

自己破産すると手続き後に約10年間、事故情報が登録されて、住宅ローンやクレジットカードの発行や利用ができなくなります。

ただし約10年を過ぎれば情報が抹消されて、住宅ローンも組めるようになりカード発行もできる状態に戻ります。

価値のある財産は処分される

自己破産をすると最低限を超える価値のある財産が現金に換えられて処分されて、自宅はほぼ必ずなくなって、自動車や預金、保険なども価値が高ければ処分対象になります。

ただし、すべての財産が処分されるわけではなくて、99万円未満の現金や一定額までの預貯金、車、保険、株式などは手元に残せるので生活できなくなる心配は要りません。

破産手続き決定後の遺産相続もできて給料も全額受け取れます。

職業制限がある

破産の手続き中は警備員など一部、就業できない仕事があります。

資格制限される職業の例

資格制限は3~6ヶ月程度と一時的なので、破産手続きが終了して免責を受ければ制限は解除され復職できます。

官報に掲載される

自己破産や個人再生をすると官報に情報が掲載されます。

官報は国が発行する新聞のようなイメージの機関誌です。

ただ官報は一般の人が読む機会が非常に少なくて、極めて特殊な職業の方以外はほとんど目にすることがありません。

官報が原因で家族や周囲の人などに破産を知られる心配はほとんどないといえます。

連帯保証人には請求が続く

自己破産をしても保証人や連帯保証人の債務は消えません。

借金に保証人、連帯保証人がついている状態で自己破産すると、保証人などへ請求されることになってしまうので、支払えなければ自己破産などの債務整理をさせる結果となって、多大な迷惑をかけてしまいます。

保証人や連帯保証人がついている借金があるなら、必ず事前に司法書士へ事情を伝えて対処方法を相談してください。

住居に制限がかかる

自己破産の中でも管財事件や少額管財事件になると、手続き中は自由な引っ越しや旅行ができませんが、裁判所の許可をとれば引っ越しや長期旅行、出張や海外旅行もできます。

同時廃止の場合には居住制限はありません。

自己破産すると旅行できなくなるというのは誤解であって、免責を受ければ管財事件であっても自由に移動できる状態に戻ります。

郵送物の制限

管財事件や少額管財事件になると、破産者宛の郵便物が管財人の事務所へ送られます。

目的は破産者が財産隠しや債権者隠しをしていないか確認するためで、破産者は管財人の事務所へ郵便物を受け取りに行くか、送料を払って送ってもらう必要があります。

同時廃止の場合には郵送物の転送はおこなわれません。

家族に迷惑がかかる

自己破産によって影響を受けるのは手続きをした本人だけであって、基本的に家族へ影響はありません。

家族の財産もなくならず、家族がブラックリスト状態になることもありません。

ただし家や車、預金などの財産が破産者所有の場合、破産すると自宅はなくなって車や預貯金、保険などの財産も失われる可能性があります。

一時的に破産者に職業制限がかかり仕事ができなくなって、収入が落ち込む可能性があるなど、間接的に家族に迷惑がかかるケースも考えられます。

自己破産するときに家族へ与える影響が心配なときには、必ず事前に家族と相談してください。

家族や同居人に及ぼす影響について、詳細は後述します。

自己破産のメリット

借金がなくなる

任意整理や個人再生では借金が残るので手続き後も返済しなければなりませんが、自己破産をすると借金を完全に免除してもらえるのが大きなメリットです。

破産後に借金を支払う必要は一切ないので、収入は全部自分のものにできます。

財産は残る

自宅や自動車、高額な預金などの価値の高い財産は処分されますが、本人が生きていくのに必要な財産は残せます。

たとえば家財道具や家電、最低限の預貯金や価値の低い車は手元に残せるので、ボールペン1本まで持っていかれるいう噂は誤解です。

自己破産にまつわる誤解

自己破産でよくある嘘や誤解を示します。

すべて情報が誤っているか、別の事情が誤解されているものですから、信用しないでください。

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自己破産できる条件

自己破産は基本的に誰でもできますが、支払不能であることが必要です。

浪費やギャンブルなどの免責不許可事由に該当しないことも必要ですが実際には免責不許可事由があっても裁判所が裁量によって免責を認めてくれるケースが多いので、過剰に不安を感じる必要はありません。

浪費やギャンブル、投資の失敗などで借金してしまい自己破産できるか心配な方は司法書士までご相談ください。

誰でも申請できる

自己破産は無職無収入の方でもできるので借金がどれだけ高額な方でも、少額な方でも適用できます。

任意整理や個人再生は返済を継続しなければならないので一定以上の収入が必要ですが、自己破産をすると借金はなくなるので収入は一切不要なので、生活保護受給者も利用しているケースが多々あります。

特に借金のある方がこれから生活保護を受けたいなら、いったん借金をゼロにしなければならないので生活保護申請の際に自己破産をおこなう必要があります。

何度でもできる

自己破産に回数制限はありませんので何度でもできますが、前回の免責から7年が経過していなるという条件があります。

できれば何度も自己破産を繰り返さないよう、一度破産したときに借金をしないための生活を打ち立てることが大切です。

支払不能であること

自己破産ができないケースで説明したとおり、支払不能は収入や資産、負債の状況から借金の返済ができない状態です。

借金額、所有財産、収入などを総合的に判断して、本当に支払えないと裁判所に認めてもらわねばなりません。

免責不許可事由に該当しないこと

免責不許可事由に該当すると自己破産をしても借金を免除してもらえない可能性があります。

自己破産は破産法に則って進められる手続きですが、破産法では免責を認めない場合としていくつかの免責不許可事由を挙げています。

ただし免責不許可事由に該当しても、裁判官の裁量によって免責を認めてよいとする裁量免責という制度があるため、ほとんどのケースは裁量免責によって免責されます。

最終的には裁判官の判断になりますが、免責不許可事由があっても自己破産をあきらめる必要はありません。さらに、自己破産できないと誤解されているケースも多くあって、生活保護受給者や年金受給者でも自己破産することができます。

ご自身が自己破産できるかどうか不安な場合は、司法書士・弁護士に相談する前に、くわしく知ることで安心して相談することができます。

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自己破産後の影響

自己破産をするとどうなるかを、できなくなること、家族や勤務先にバレるリスク、家族や同居人への影響の3つの観点からまとめました。

自己破産後にできなくなること

自己破産をするとできなくなる代表的なことを3つ示しますが、いずれも信用情報に事故情報が登録されるブラックリストが原因となる制限です。

自己破産をしても信用情報に関係しない審査や手続きはほとんど自由にできます。

ローンが組めなくなる

自己破産をするとCIC、JICC、KSCの3つの信用情報機関に事故情報が登録されて、いわゆるブラックリストに載った状態になります。

銀行などの金融機関は住宅ローンやマイカーローンなどの融資申し込みを受けると信用情報を参照して調査するので、事故情報が載っていると審査に通りません。

自己破産をすると事故情報が10年は登録され続けるので、期間中はどこの銀行や信用金庫、公庫などのローンも利用できません。

自己破産後にブラックリスト状態になると、ブラックでも融資しますと怪しい業者からDMなどで連絡が来るケースがありますが、多くは闇金ですから借りてはなりません。

クレジットカードの利用が出来ない

クレジットカード会社もカードの申し込みを受けると信用情報を参照しますので、自己破産後のブラックリスト期間はカードの発行もできません。

自己破産時に残高がゼロで解約されなかったカードがあれば、しばらく使える可能性がありますが、更新などのタイミングで利用停止にされて、最終的に強制解約されます。

自己破産すると家族や会社にバレる理由

自己破産をすると必ず家族や会社にバレると思われているケースが多々ありますが、実際には知られないケースが多数です。

裁判所に申立をして免責決定を受けるだけの手続きで家族を巻き込むものではないため、勤務先や別居の家族はもちろん、同居の家族にすら知られず破産している方も多数います。

ただ、あとで知られたときのリスクを考えると自己破産時に正直に話しておくのがよいです。

知られるケースはゼロではないので、自己破産を家族に知られてしまう原因としてよくある事情をお伝えします。

ローンやカード審査に通らない

自己破産後は住宅ローンや自動車ローン、教育ローン、クレジットカードの発行などあらゆる審査に通らなくなります。

常に審査落ちしていると借金トラブルを疑われて、問い詰められて自己破産を知られるケースがあります。

裁判所からの書類を見られてしまう

自己破産すると裁判所からの免責決定通知書などが届きます。

保管状況を適当にしていると家族に見つかって自己破産を知られる可能性があるため、司法書士から受け取った書類は家族に見られないように適切に管理してください。

官報を見る職業についている人がいる

一般の方が官報を見る機会はほとんどありませんが、信用情報機関や不動産会社、リサイクルショップ、金融機関、カード会社、税務関係の仕事に就いている一部の人は官報をチェックしている可能性があります。

こういった特殊な仕事をしている家族がいれば、自己破産を知られるリスクも発生します。

ただし金融機関に勤めていても全員が官報をチェックするわけではなくて、関わるのはほんの一部門の人だけなので、現実には家族の職業上の理由で破産を知られるケースはほとんどありません。

会社からお金を借りている

自己破産をするときには、すべての借入先を対象にしなければならず、一部を省くことは許されませんので、会社や親族、友人から借金していた場合には司法書士や裁判所から通知を送られて自己破産を知られます。

自己破産が家族や同居人に及ぼす影響

自己破産はあくまで破産者本人がおこなう手続きなので、影響する法的な範囲は本人のみに限定されます。

ただ実際には間接的にさまざまな影響が及ぶ可能性もあるので、考えられる影響内容を紹介します。

同居する家族全体への影響

家が破産者所有の場合、自己破産すると家がなくなるので家族全員で引っ越さねばなりません。

価値の高い車や自動車ローンつきの車を破産者名義で所有していると自動車がなくなる可能性がありますし、高額な預金があったら失われて、子供の学資保険も破産者が契約者になっていたら解約しなければならなくなる可能性があります。

特に住まいによる家族への影響は大きいので、自分名義の家に居住しているなら必ず事前に家族に自己破産をするので家に住めなくなることを話して、理解を得ておくべきです。

配偶者への影響

配偶者であっても破産者とは別の人格なので、破産によって直接の影響を与えることはありません。

配偶者が代わりに返済する必要もなくブラックリスト状態にもなりません。

ただし破産者本人が住宅ローンや自動車ローン、教育ローンなどを当面組めなくなりクレジットカードも作れないので、将来設計を見直すことになる可能性もあります。

特に配偶者が専業主婦で破産者が大黒柱の場合などには問題になりやすいです。

子供への影響

親が自己破産しても子どもの将来の就職や結婚などへの影響はありません。

ただし親が契約者となって子どもの将来のために学資保険を積み立てていた場合、解約しなければならないケースがあります。

保険を解約しなければならないのは解約返戻金が20万円を超える場合に限りますので、解約返戻金がない場合や低額な場合にはそのまま温存できます。

なお、20万円は一例で、全国の裁判所によって具体的な金額、運用方法は変わります。

また子供が奨学金を借りるとき、親が自己破産してブラックリストに載っている期間は連帯保証人になれないので、配偶者などの別の人に保証人をお願いするか機関保証を利用する必要があります。

親族への影響

自己破産をしても親族には影響も、知られる可能性もほとんどありません。

ただし地域や世代、考え方によっては破産に敏感な人もいるので、感情を逆なでしそうな人には伝えないのが得策と考えます。

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自己破産手続きの流れと期間

自己破産の流れをステップごとに紹介します。

なお弁護士に自己破産を依頼した場合には代理人になってもらえますが、司法書士の場合には書類作成の代行人となって、サポートはしてもらえますが裁判所への出頭や裁判官との面談などは自分でおこなわねばなりません。

自己破産手続きを弁護士に依頼した場合の流れ

1.自己破産手続きを依頼する

まずは司法書士・弁護士に自己破産の手続きを依頼します。

自己破産は必要書類も多く複雑な手続きなので、一人で進めるのは困難ですから、必ず債務整理に強い司法書士などへ依頼してください。

2.受任通知の送付

司法書士・弁護士へ自己破産を依頼すると、すぐに司法書士などが債権者へ受任通知を送ります。

すると即日から2、3日中には一切の督促が届かなくなって、支払いもしなくてよい状態になります。

3.申立てに必要な書類の準備

自己破産申立には多種多様な書類が必要なので、依頼者も書類集めをしなければなりませんので、依頼している司法書士・弁護士の指導を受けて、早めに集めて提出してください。

司法書士・弁護士は申立書などの必要書類を作成します。

書類作成や収集にかかる期間は1~3ヶ月程度です。

4.破産手続きの申立て

書類がそろったら裁判所へ申し立てをします。

5.裁判所での面接(破産審尋)と破産手続きの開始

申立が行われると裁判所によっては破産審尋がおこなわれます。

破産審尋とは裁判所と破産者が面談していろいろ質問をされる手続きですが、破産審尋はおこなわれない運用の裁判所もあります。

破産審尋の結果、支払不能などの要件を満たしていると判断されると破産手続開始決定が出ます。

管財事件の手続きの流れ

破産手続開始決定が出たあとの流れは管財事件か同時廃止かで異なるので分けて説明します。

6.破産管財人との面接

管財事件の場合、破産手続開始決定とともに破産管財人が選任されて、破産者は面談しなければなりません。

面談時には事情を説明して管財人からの質問に答えて、財産資料などを引き渡します。

7.破産管財人による換価処分、債権者集会、配当

破産管財人は受け取った資料などをもとに破産者の財産を現金化していきます。

1ヶ月に1回程度の頻度で裁判所において債権者集会が開かれるので、破産者も出席しなければなりません。

現金化が完了したら破産管財人が債権者へ配当をおこない、破産手続きが終了します。

換価処分や配当にかかる期間はケースによりますが3~6ヶ月程度です。

8.免責許可決定

破産手続きが終結したら裁判所が免責許可決定を下して、破産者の抱えていた借金が正式にゼロになります。

破産手続開始決定から免責決定までの間はケースによって異なりますが、だいたい6~10ヶ月程度です。

同時廃止の手続きの流れ

同時廃止でも依頼から裁判所での面接までは管財事件と同じなので、面接以降の流れを示します。

6.免責審尋

同時廃止の場合、破産手続開始決定とともに手続きが廃止され免責審尋が開かれます。

免責審尋とは裁判官が破産者を免責してよいか判断するためにいろいろな質問をする手続きです。

裁判官と破産者の1対1で質問されるケースもあれば、多くの破産者を集めて大部屋でまとめて免責審尋がおこなわれるケースもあります。

7.免責許可決定

免責審尋の結果、特に問題がなかければ裁判官が免責決定を出してくれて、借金が正式にゼロになります。

破産手続開始決定から免責許可決定までの期間はだいたい2ヶ月程度です。

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自己破産にかかる費用相場

自己破産にかかる費用には裁判所へ払う費用と司法書士・弁護士へ払う費用があります。

同時廃止か少額管財、管財事件のどの手続きになるかでも金額が変わるので、一覧表にてわかりやすく掲示します。

自己破産をする際に必ず納める費用

同時廃止 少額管財 管財事件
収入印紙代 1,500円 1,500円 1,500円
官報公告予納金 1万円程度 1万円程度 1万円程度
管財予納金 0円 20万円程度 50万円~
司法書士・弁護士の費用 15~30万円 30~50万円 40万円以上
合計額 18~33万円程度 53万~73万円程度 93万円~(100万円以上かかるケースも多い)

収入印紙代

自己破産を申し立てるときには申立書に1,500円分の収入印紙を貼らなければなりません。

郵便切手代

予納郵券とは債権者へ送付する郵便に必要な切手で、債権者数によっても変わりますが数千円分が必要となります。

官報公告予納金

自己破産のどの手続きでも官報公告するための予納金が1万円程度かかります。

管財事件の費用

管財事件になると、管財人の予納金が50万円以上かかるのが通常で、100万円以上になるケースもあります。

少額管財事件の費用

少額管財になると管財予納金が安くなり20万円程度で済むケースが多数です。

同時廃止事件の費用

同時廃止の場合には収入印紙と官報公告費用と郵便切手代くらいなので実費は2~3万円程度しかかかりません。

司法書士・弁護士に関する費用

裁判所に払う費用以外に司法書士・弁護士に払う費用があります。

同時廃止なら15~30万円程度、少額管財なら30~50万円程度、一般管財事件なら50万円以上が相場です。

同時廃止の場合、司法書士に依頼すると弁護士よりも大きく費用が下がるケースが多いので、財産のあまりない方は司法書士に依頼するのが得策と考えます。

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自己破産以外の解決手段

自己破産以外にも借金問題の解決方法があるので、パターン別にお知らせします。

過去に借金をしたことがある場合は過払い金請求

2010年以前に消費者金融やクレジットカードのキャッシングを利用して借金返済していた方は過払い金を取り戻せる可能性があります。

過払い金請求できる場合、対象業者への借金は完済しているので現在の借金は払う必要がなくなって、自己破産する必要がなくなります。

過払いの対象業者以外から借金があっても過払い金で返済すると、完済や減額ができて自己破産せずに済む可能性があります。

ただし過払い金請求権には時効があって、放置していると取り戻せなくなってしまうので、借り入れ時期の古い方は早めに司法書士へご相談ください。

元本だけなら5年以内に返済できるなら任意整理

現在の借金を合計してみて元本だけなら5年以内に完済できるなら任意整理がよいです。

任意整理をすると合意後の利息が免除されて元本だけ支払えばよい状態になって、返済期間は5年程度にまで延ばせるからです。

たとえば200万円の借金のある方であれば、1ヶ月33,400円程度支払い続ければ任意整理で借金を完済できますので、一定以上の収入があるなら任意整理を検討してください。

住宅を残したい場合は個人再生

住宅ローンがあって家を失いたくないなら、個人再生が適しているケースが多数です。

個人再生の住宅ローン特則を適用すると、住宅ローンの返済を継続しつつ他の借金だけ減らせて家を守りながら借金問題を解決できます。

住宅ローンがない場合でも、個人再生をすると任意整理より大きく借金を減らせて、借金を元本ごと5分の1~10分の1程度にまで減らせるケースが多数です。

安定収入があって個人再生後3年程度支払いを継続できて、借金を大きく減らしてもらえると自力返済できる方には個人再生が向いています。

借金問題解決に最適な債務整理の方法は個人のおかれた状況によっても異なりますので、くわしくは司法書士までご相談ください。

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自己破産で借金問題を解決するには

自己破産をすると借金を全額免除できて、世間で思われているようなネガティブな影響もほとんどありません。

借金の限度額もなくて、収入がなくても誰でも利用できるメリットもあります。

カードローンやキャッシングの借金を払えない、生活が苦しくて借金が増えてしまった、病気やケガで働けなくなり借金を返せなくなった、事業に失敗したなど、杉山事務所では何度でも無料で借金トラブルの無料相談に対応していますので、まずはお気軽にご相談ください。

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