全日信販の取引履歴を自分で取り寄せる手順・リスクと注意点
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- 4) 取引履歴の見かた
自分で全日信販の取引履歴の開示請求と過払い金計算をするリスクや注意点
テレビCM等によって「過払い金請求手続きは司法書士や弁護士といった専門家に依頼して行うもの」というイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし、過払い金返還請求の手続きは、実は1から10まで自分で行うことができます。
しかし、個人が取引履歴の取り寄せや過払い金計算をするのにはリスクがあります。
専門家などに頼らずにそれらの手続きを行う場合は、どのようなリスクが潜在しているのかを理解しておくのが良いでしょう。
自分で全日信販から取引履歴を取り寄せるリスク
取引履歴を個人で取り寄せると届くのが遅いことがある
個人が専門家の手を借りずに取引履歴を取り寄せる場合に注意すべきリスクの1つが「手続きの後回し」です。
貸金業者によって差はありますが、たとえば業者が取引履歴の送付依頼を司法書士と個人の双方から受けたときに、個人からの請求は後回しにされる傾向があります。
後回しにされると取引履歴が届くまでの期間が長引くため、過払い金の請求手続きに移るまでにかかる全体的な期間もその分長くなるのです。
取引履歴が届くまでにかかる時間が長くなることによってどのようなリスクを背負う可能性があるかは、次でご説明していきます。
過払い金請求の時効期限が過ぎてしまうリスク
取引履歴を手に入れるのに時間がかかりすぎてしまうと「時効によって過払い金の返還を請求する権利を失う」というリスクが生じる可能性があります。
過払い金返還請求権の時効完成期間は「借金をすべて返済し終えた日から10年」です。
よって、全日信販株式会社からの借金を完済した日からすでに10年近くが経過している人は、急いで行動に移す必要があるでしょう。
時効は、過払い金の返還請求を行った時点でストップするのですが、取引履歴の取り寄せだけではその効果は発生しません。
取引履歴から過払い金を計算して、返還を希望する旨の意思表示を貸金業者に伝えて初めて、時効がストップするのです。
早く時効をストップさせたいという人は、やはり司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
なかには、取引履歴の取り寄せから過払い金計算までを無料で実施する司法書士や弁護士もいるので、過払い金が発生していればそのまま返還請求までスムーズに依頼できるため、おすすめです。
貸金業者から取引履歴の利用目的を聞かれることがある
貸金業者に取引履歴の請求をした際に「取引履歴を必要とする理由」を聞かれることがありますが、素直に「過払い金請求のため」と答えるのは得策ではありません。
当事者間での話し合いにとどまらずに、過払い金請求が訴訟に移行してしまった場合に、貸金業者側から「過払いであると知りながら利息を支払っていたから、返還義務はない」と主張されるおそれがあるからです。
そのため、取引履歴の取得理由を聞かれた際は「今までの取引を確認したいから」「契約内容を確かめたい」といった理由を伝えるようにしましょう。
貸金業者からゼロ和解を提案されることがある
個人が取引履歴の請求を行うと、貸金業者から「ゼロ和解」という和解案をもちかけられることがあります。
ゼロ和解を簡単に説明すると「借金をチャラにする」代わりに「過払い金請求をしない」旨の合意です。
一見すると、請求をした側のメリットが大きく映りますが、そうとも限りません。
一度ゼロ和解に合意してしまうと、取引履歴から判明する返還請求可能な過払い金額が借金額を上回っていても、あとからその超過分を請求することはできないからです。
ゼロ和解以外にも「判明している過払い金額の8割で納得してくれるなら今すぐ返還しますよ」といった、請求側に不利な和解を迫られるケースもあります。
貸金業者が取引履歴を処分しているケースがある
取引履歴を請求しても、必ずしもすべての取引履歴が送付されてくるとは限りません。
貸金業者のなかには、一定の保有期間を過ぎた取引履歴を処分しているところもあるからです。
比較的新しい期間分のものがかろうじて手に入ったとしても、それによって過払い金全額の計算を行うのは個人ではむずかしいでしょう。
取引履歴が処分されている期間の金額計算については、過去の通帳や手に入れた分の取引履歴から推定して行うしかないのです。
そういったケースでは、時効期間との兼ね合いも考えて、司法書士や弁護士に依頼することをおすすめします。
ちなみに、全日信販株式会社は問題なく取引履歴のすべてを開示しているようです。
また、「取引履歴が業者によって改ざんされている可能性はないのか」と不安に思っている人も多いでしょう。
現在では、改ざんを行った業者に対する行政処分が厳しく定められているので、そのような心配はほぼ不要だと言えます。
手数料がかかるケースもある
取引履歴の請求に1000円程度の手数料がかかる貸金業者がありますが、全日信販株式会社もそのうちの1つです。
全日信販株式会社に取引履歴の開示請求を行うと、窓口開示では500円、郵送による開示では900円という手数料を要します。
しかし、無料で取引履歴請求から過払い金計算を行っている司法書士や弁護士に依頼すれば、そのような手数料を支払う必要がない場合がほとんどです。
時間と金銭の負担なく、過払い金の有無を確認することができるのでおすすめと言えるでしょう。
個人が取引履歴の請求を行う場合には、上でご紹介したようなリスクが潜在しているおそれがあります。
全日信販株式会社は過払い返還請求に対しても比較的親切な対応がのぞめる業者です。
しかし、全日信販株式会社ならではの注意点も存在します。
それが「全日信販株式会社からの返還金額についての和解提案」です。
提示された和解案の内容が正当かどうかは、法律のプロでなくては判断がむずかしい部分があります。
よって、和解案に応じるべきかを迷ったときは司法書士などの専門家への相談がおすすめです。
取引履歴の請求から過払い金の引き直し計算まで無料で対応してくれる事務所を選んでおけば、その後の交渉も延長線として依頼することで、スムーズに進めることができるでしょう。
全日信販から取引履歴を取り寄せる方法・流れ
全日信販株式会社に対して取引履歴の開示請求を行う方法は2つあります。
「窓口開示」と「郵送開示」です。その方法を順番にご説明しましょう。
窓口開示を希望する場合
- 全日信販株式会社の「お客様相談室」に電話をする
- 取引履歴の窓口開示を希望する旨を伝える
- 「開示請求書」が郵送されてくる
- 開示請求書を記入し、本人確認情報のコピーを添えて送付する
- 取引履歴が用意できたという連絡がきたら対応窓口に行く
- 窓口で手数料500円を支払い、取引履歴の開示を受ける
郵送開示を希望する場合
- 窓口開示と同様(開示請求書の送付時に手数料を支払う)
- 取引履歴が郵送されてくる
取引履歴が自宅に郵送されると、家族などに借金の事実を隠しておきたい人にとっては不都合かもしれません。
その場合は窓口開示をおすすめします。
開示請求書の送付も避けたいという場合は、窓口で開示請求書等をもらってその場で提出することができないかを電話で相談してみてはいかがでしょうか。
全日信販の取引履歴の請求先情報
以下が、全日信販株式会社に対する取引履歴開示の請求先です。
全日信販株式会社お客様相談室
電話:086(227)7106
受付時間は平日9:15から17:30まで
これらは、全日信販株式会社の公式ホームページからの情報です。
さらに詳しく知りたい方は、個別に全日信販株式会社にお問い合わせください。
家族の取引履歴を取り寄せる方法
借金をしていた人が亡くなると、その相続人に借金が承継されます。
相続人が複数いる場合は、相続人それぞれの相続分に応じた割合で借金の返済義務が引き継がれるのです。
しかし、引き継がれるのは借金だけではありません。
過払い金が発生している場合は、その過払い金返還請求権も同様に承継されるのです。
相続人から取引履歴を請求する際は、通常の必要書類に加えて亡くなった本人の除籍謄本と、相続人の戸籍謄本が必要とされています。
除籍謄本は本人の死亡の証明のためで、戸籍謄本は、相続人である証明のためです。
相続が関係する過払い金返還請求は複雑な場合が多く、個人が完璧に対応できる範囲には限りがあると言えます。
少しでももめそうな気配があるのなら、将来的なトラブルを回避するためにも司法書士や弁護士などへの相談がおすすめです。
全日信販の取引履歴を自分で取り寄せる手順・リスクと注意点
全日信販株式会社からの取引履歴の取り寄せは、専門家に頼らずとも個人で行うことができます。
しかし、専門家が請求する場合と比べると、やはり届くまでの期間に差が出がちです。
司法書士などが請求すれば2週間ほどで届くにもかかわらず、個人による請求だと1カ月近く待たされるケースがあるのです。
時効などのリスクや、過払い金を正確に計算するむずかしさを考えると、司法書士や弁護士に依頼するのがもっとも安心できる選択肢と言えるのではないでしょうか。
取引履歴の見かた
取引履歴には、取引の開始日や返済日、借金額、利息額や遅延損害金などの重要な項目が記載されています。
この取引履歴にもとづいて、1から過払い金額を計算するのが一般的ですが、全日信販株式会社の場合は過払い金の引き直し計算がされた取引履歴が送付される場合があるのです。
取引履歴の改ざんは行政処分の対象であるため、そういった面での心配はほぼ不要だと言えますが、少しでも疑問点があるのなら司法書士などの専門家に相談するのが良いでしょう。
取引履歴の読み方や過払金の計算に限らず、請求や交渉を少しでも希望どおりに進めるためには、法律系の専門知識を要する場面も予想されます。
まずは無料で最初の手続きを引き受けている司法書士事務所などで、話を聞いてみてはいかがでしょうか。
全日信販の過払い金が発生している条件
全日信販への過払い金が発生している可能性があるのは、2006年までにクレジットカードでのキャッシングを利用していた場合です。
2006年まで、全日信販はクレジットカードのキャッシング金利を利息制限法の上限を超える金利で貸付けをおこなっていました。
これは当時、利息制限法に違反しても貸金業者に対する罰則がなかったことが要因です。
全日信販はショッピングクレジットを広く取り扱っていますが、これは過払い金の対象とはなりません。
過払い金請求の対象となるのは、全日信販のクレジットカードでキャッシングを利用した場合です。
2006年までに全日信販のクレジットカードでキャッシングをおこなっている場合には、過払い金の発生条件を満たしている可能性がありますが、古い借金については記憶があいまいな人も少なくありません。
また、手元に利用明細などの記録が残っていない場合も多々あります。
それでも過払い金請求をあきらめる必要はありません。
過払い金請求の専門家である司法書士や弁護士に依頼をすれば、全日信販に照会をして過払い金の有無について調査してくれます。
心当たりのある人は司法書士や弁護士に相談してください。
全日信販の過払い金の計算方法~自分で引き直し計算するには
全日信販から取引履歴を取り寄せる
過払い金の引き直し計算には取引履歴が必要です。
取引履歴とは借入した時の金利、金額、日付、返済した金額や日付が記載されています。
過払い金の引き直し計算はこの情報をもとに算出していきます。
貸金業者によっては、取引履歴を請求すると1000円ほどの手数料がかかるので注意しましょう。
無料計算ソフトをつかい取引履歴をもとに日付や金額を入力
取引履歴を手に入れたら、インターネット上で公開されている無料計算ソフトとエクセルをつかって引き直し計算をします。
無料計算ソフトには、TDONの引き直し計算ソフト・引き直し計算ソフト「名古屋式」・引き直し計算ソフト「外山式」などがあります
使用方法は各配布サイトにて詳しく説明してありますので参考にしてください。
取引履歴に記載されている借入した時の金利、金額、日付、返済した金額や日付を入力していくことで過払い金が自動で計算されます。
取引の期間が長かったり、途中で追加の借入をしていると複雑になり時間がかかります。
自分で計算する時間が取れない方や、不安がある方は司法書士や弁護士に依頼するをおすすめします。
過払い金の計算方法は以下のページで詳しく説明しています。
過払い金の引き直し計算を自分で簡単にする方法
自分で全日信販の引き直し計算をするリスク
過払い金の引き直し計算を間違えてしまうリスク
過払い金の引き直し計算で計算を間違えてしまうと、回収できる過払い金が少なくなってしまったり請求できなくなる恐れがあります。
過払い金の計算は自分でもできるので、どれくらいの過払い金が発生しているか確認するには良いと思います。
しかし、そのまま過払い金請求をするとなると、もし計算が間違っていた時のリスクが大きいでの、過払い金の引き直し計算は司法書士や弁護士に依頼することをおすすめします。
同じ契約番号で借入と完済を繰り返している場合
全日信販から同じ契約番号で借入と完済を繰り返している場合、複数の取引をまとめて一つの取引(一連)として扱うのか、複数の取引を別々の取引(分断)として扱うのかによって、時効が成立するかしないかに影響します。
本来であれば時効が成立している取引であったとしても、まとめて一つの取引として扱うので時効が成立せず、過払い金請求の対象となることがあります。
詳しくはこちらを参考にしてください。
取引の一連か分断かで過払い金請求の過払い金や時効は変わる
返済中の借金の過払い金を引き直し計算する場合
借金を返済中で過払い金が発生している場合、過払い金を残っている借金に相殺させて0円になればブラックリストにのることはありません。
また、残っている借金より過払い金が多ければお金が返ってきます。
しかし、残っている借金より過払い金が少なかった場合は、貸金業者と借金の減額を交渉する任意整理という手続きになりブラックリストにのります。
ブラックリストにのることを避けるには事前に引き直し計算を正確におこなうことが重要です。
自分で引き直し計算をした結果、過払い金で借金を完済させるつもりだったのに、過払い金が少なくてブラックリストにのってしまったというケースもあります。
過払い金の引き直し計算は司法書士や弁護士に依頼して正確な額を計算してもらいましょう。
過払い金請求、債務整理は無料相談をご利用ください。