過払い金請求にかかる期間と1日でも早くお金を取り戻す方法
「過払い金請求ってどのくらいの期間がかかるの?」
「お金はいつ返ってきますか?」
こういった疑問を持っている方も多くいると思いますが、お金が返ってくるまでにかかる期間には以下のようなことが影響します。
- 自分でするか、専門家に依頼するか
- 裁判をするか、しないか
- 貸金業者の経営状況
- 依頼した司法書士や弁護士の実績やノウハウ
ここでは、過払い金請求にかかる期間の目安や手続きの流れ、上記がどのように手続きに影響するかについてひとつひとつ、わかりやすく説明していきます。
あわせて、主な貸金業者の過払い金請求にかかる期間と返還率も紹介します。
なお、過払い金請求には「できる期間」があるってご存知ですか?
できる期間に手続きしないと、過払い金は返還されません。
過払い金請求ができる期間や注意点もお伝えしていきますので、1日でも早く過払い金を取り戻したい方はぜひ最後までお読みください。
過払い金請求の期間と手続きの流れ
もくじ(メニュー)
- 1) かかる期間と返還率の目安
- 2) 期間や返還率に影響する3つのこと
- 3) 過払い金請求ができる期間
- 4) 手続きの流れとかかる期間の目安
- 5)かかる期間を早くする方法
1) 過払い金請求にかかる期間と返還率の目安
過払い金請求は誰が手続きをしても同じではありません。自分でするか、司法書士や弁護士に依頼するかによって返還されるまでの期間や返還率が大きく変わります。
それでは、過払い金請求を自分でした場合と、司法書士や弁護士に依頼した場合とでどのくらい違いがあるのでしょうか。
自分でした場合
かかる期間
約6~12ヵ月
返還率
約40~80%
司法書士や弁護士に依頼した場合
かかる期間
約3~10ヵ月
返還率
約60~100%+利息
※上記の期間や返還率はあくまで目安です。
過払い金請求を自分でした場合に時間がかかる理由
上記でご確認いただいたように、過払い金請求は自分で手続きをすることもできますが、司法書士や弁護士に依頼すると返ってくる金額が大きくなり、早く取り戻せる傾向にあります。
それでは、なぜ自分でやると時間がかかるのかというと、以下で時間を要するためです。
- 書類や知識の準備
- 過払い金の計算
- 貸金業者との交渉
必要な書類や知識の準備に時間がかかる
過払い金請求を自分でする場合、取引履歴や過払い金返還請求書など複数の書類を準備する必要があります。
もし裁判をする場合は、訴状、証拠説明書、引き直し計算書、貸金業者の情報が書かれた代表者事項証明書(登記簿謄本)などが追加で必要となり、すべて自分で準備しなければなりません。
過払い金の計算に時間がかかる
過払い金の計算はむずかしく、とくに取引の期間が長いと複雑になります。
過払い金の計算は戻ってくる金額に影響するため、過払い金請求の手続きにおいて非常に重要です。計算を間違えると過払い金が少なくなることもあります。
細心の注意を払って計算する必要があるので慣れていないと時間がかかる作業です。
貸金業者との交渉に時間がかかる
貸金業者は過払い金請求の交渉に慣れているため、自分たちが有利になるように交渉をすすめてきます。
過払い金の計算や貸金業者と交渉するためには、過払い金請求や法律に関する知識が必要です。
知識がないまま手続きをすると返ってくる過払い金が少なくなったり、貸金業者に過払い金請求を断られるリスクがあります。
過払い金請求の対応に慣れている貸金業者を相手に交渉するには、過払い金請求について知識を身に着けながら慎重におこなう必要があるので、時間がかかります。
自分で過払い金請求をすると時間がかかる、取り戻せるお金が少なくなるという可能性が高くなります。
時間をかけずに、過払い金多く取り戻すなら司法書士や弁護士に依頼するのがオススメです。
過払い金請求は自分でもできますが、専門家と違って、ひとつひとつの手続きに時間がかかります。
時間をかけずに過払い金を多く取り戻すなら司法書士や弁護士に依頼することをご検討ください。
2) 過払い金請求にかかる期間や返還率に影響する3つのこと
過払い金請求を自分でするか、司法書士や弁護士に依頼するか以外にも、過払い金請求にかかる期間には以下の3つが影響します。
- 裁判をするか、しないか
- 司法書士や弁護士の実績やノウハウ
- 貸金業者の経営状況
過払い金請求の裁判をするか・しないか
過払い金請求は、貸金業者との話し合いによる交渉で返ってくる金額や返還期日や支払い方法に納得できない場合、裁判をすることができます。
裁判をすると話し合いで和解するよりも時間はかかりますが、返ってくる過払い金が多くなる可能性が高まります。
なかには、裁判をしないとお金を返してくれない貸金業者もあるのです。過払い金請求の裁判をした場合にかかる期間と返還率の目安は以下の通りです。
過払い金請求の裁判をした場合
かかる期間
約5~12ヵ月
返還率
約60~100%+利息
裁判をするかどうかは、なるべく早くお金を取り戻したいのか、それとも可能な限り多くのお金を取り戻したいのかで決まります。
一般的に、裁判をすると過払い金が返ってくるまでにかかる期間は長くなりますが、返ってくる過払い金が多くなります。
過払い金請求を依頼した事務所の実績やノウハウ
過払い金請求は、どの事務所に依頼しても同じではなく、依頼する司法書士や弁護士の交渉力や実績によって返ってくるお金が多くなったり、かかる期間が早くなります。
全国に司法書士や弁護士に事務所は多くありますが、過払い金請求を依頼するなら交渉力と実績のある事務所にしましょう。
適当に選んでしまうと、時間がかかった上に希望する金額が返ってこないというトラブルになります。
また、悪徳な司法書士や弁護士に依頼すると過払い金を着服されるケースもあるので、依頼する司法書士や弁護士はしっかりと見極めることが重要です。
過払い金請求をする貸金業者の対応や経営状況
過払い金請求は、貸金業者の対応や経営状況によってもかかる期間や返還率が変わります。
大手の貸金業者だと過払い金の支払いにおける予算が多いので、話し合いでも裁判でもスムーズに和解や判決まですすむケースがあります。
しかし、そのような対応をしてくれるのは一部の貸金業者で、多くの貸金業者は支払う過払い金を1円でも少なく一日でも遅くしようと交渉してきます。前述のとおり、なかには裁判をしなければ返してくれない貸金業者もあります。
貸金業者別:過払い金の返還率とかかる期間の目安
アコム
返還率 | 50%~100% |
---|---|
裁判なし | 平均4ヵ月~ |
裁判あり | 平均6ヵ月~ |
プロミス
返還率 | 70%~100% |
---|---|
裁判なし | 平均4ヵ月~ |
裁判あり | 平均6ヵ月~ |
レイク
返還率 | 70%~100% |
---|---|
裁判なし | 平均4ヵ月~ |
裁判あり | 平均9ヵ月~ |
アイフル
返還率 | 40%~100% |
---|---|
裁判なし | 平均6ヵ月~ |
裁判あり | 平均12ヵ月~ |
その他の貸金業者に関してはこちらをご覧ください。
※掲載がない貸金業者の実績もありますので詳しくはお問い合わせください。
※貸金業者ごとの対応状況は随時、追加・更新をおこないます。
3) 過払い金請求ができる期間
過払い金請求には手続きができる期間があるのをご存知でしょうか。
ここまで、過払い金請求にかかる期間と返還率の目安、どういったことが返還される期間に影響するのかをみてきましたが、そもそも過払い金請求ができる期間の間に手続きをしないと、過払い金を取り戻すことはできません。
この、できる期間というのは、時効が成立する前、ということ。
過払い金請求は「最後の取引した日から10年」が経過すると時効が成立して、手続きができなくなります。
時効が成立すると司法書士や弁護士であってもお金を取り戻すことができないので、自分がいつ時効を迎えるかを知っておくことは非常に重要です。
時効が成立すると、司法書士や弁護士であっても過払い金を取り戻すことができないので、最後に取引した日から時間がたっている人は1日でも早く司法書士や弁護士に相談しましょう。
自分で過払い金請求をしようとすると、時間がかかってしまい時効が成立してしまうリスクがあります。
時効が迫っている過払い金請求はスピーディーに手続きができる司法書士や弁護士に依頼することをオススメします。
4) 過払い金請求の流れとそれぞれの手続きにかかる期間の目安
過払い金請求を早めることに影響することや、時効について確認ができたので、ここではそもそも過払い金請求にはどんな手続きがあり、どうして時間がかかるのかを見ていくことにしましょう。
過払い金請求の手続きの主な流れと、手続きの内容、期間をお伝えしていきますね。
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1.貸金業者から取引履歴を取り寄せる
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2.過払い金の引き直し計算をする
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3.貸金業者に過払い金の返還請求をする
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4.貸金業者と話し合いで交渉する
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5.貸金業者と過払い金請求の裁判をする
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6.貸金業者から過払い金が返ってくる
1.貸金業者から取引履歴を取り寄せる
過払い金請求をするには、まず過払い金を計算するために取引履歴が必要です。
取引履歴には、貸金業者と契約を開始した時からの金利や、借入金額、借入日、返済金額、返済日などのデータが記載されています。
取引履歴は、貸金業者に電話、FAX、郵送で取り寄せることができます。
自宅への連絡や郵送を避けたい方は、店舗で申し込み・受け取りができる貸金業者もあります。
取引履歴を取り寄せるのに約1000円の手数料がかかる貸金業者もあります。
取引履歴を取り寄せにかかる期間
貸金業者にもよりますが、約1週間~約2ヵ月程度で取引履歴を取り寄せることができます。
自分で取引履歴を取り寄せると遅くなることもあります。貸金業者が司法書士や弁護士からの依頼を優先して個人への対応を後回しにするケースがあるためです。
2.過払い金の引き直し計算をする
取引履歴を記載されている、貸金業者と契約を開始した時からの金利や、借入金額、借入日、返済金額、返済日を確認します。
そして利息制限法にもとづいた過払い金の引き直し計算をします。
利息制限法で制限された上限金利は以下の通りで、この上限金利を超えた利息を返済している分が過払い金です。
借入額 | 上限金利 |
---|---|
10万未満 | 20% |
10万円~100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
貸金業者から取り寄せた取引履歴と、利息制限法の上限金利を無料で公開されている過払い金計算ソフトに入力することで過払い金を計算できます。
過払い金の計算は1円でも間違えると、返ってくるお金が少なくなったり貸金業者に過払い金請求を断られる可能性があります。自分で行う場合は慎重に計算しましょう。ミスは禁物です。
過払い金の引き直し計算にかかる期間
引き直し計算は取引の期間や、借入状況によって変わります。
数時間程度で終わる場合もありますが、取引の期間が長かったり、借入と完済を繰り返していると複雑になるので時間がかかります。専門家に依頼する場合でも、過払い金請求を得意としている司法書士や弁護士に依頼しなければなりません。
3.貸金業者に過払い金の返還請求をする
引き直し計算をして過払い金がわかったら、貸金業者へ過払い金返還請求書を内容証明郵便で送ります。
内容証明郵便は約1200円~1500円の費用がかかりますが、「誰が、いつ、誰に送ったか」を証明できるため、貸金業者の「過払い金返還請求書なんて届いていない」という主張を防ぐことができます。
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過払い金返還請求書の内容
- 日付
- 過払い金請求をする貸金業者名
- 過払い金請求をする貸金業者の代表名
- 自分の名前
- 住所
- 連絡先電話番号
- 振込口座名
- 口座番号
- 契約番号や会員番号
- 「利息を引き直し計算した結果、○○円の過払い金があることが判明したので返還の請求をする」といった内容
4.貸金業者と話し合いで交渉する
過払い金返還請求書を送ると貸金業者から連絡が入ります。
過払い金額や支払い方法、期限について話し合いで交渉し、提案内容に納得できる場合は和解となり、過払い金が返還されます。
貸金業者の提示してきた和解内容に納得できない場合は過払い金請求の裁判をします。
貸金業者と話し合いにかかる期間
貸金業者によって異なりますが、話し合いでの交渉は約1ヵ月~約3ヵ月ほどかかります。
貸金業者は交渉の相手が個人の場合、過払い金を少なくしたり、過払い金の支払いを先延ばしにする提案をしてくるので時間がかかります。自分で交渉した場合は、約4ヵ月以上、長いと半年かかるでしょう。
5.貸金業者と過払い金請求の裁判をする
貸金業者が提示してきた過払い金額、支払い方法、期限に納得できない場合は、過払い金請求の訴訟を起こします。
過払い金請求の裁判は、話し合いの交渉よりも時間と手間と費用がかかりますが、返ってくる過払い金が多くなる可能性があります。
過払い金請求の裁判にかかる期間
過払い金請求にかかる期間は早く約3ヵ月、長くなると1年以上もかかることがあるので、過払い金を多くした場合は、判決がでるまで裁判が続くので裁判の期間が長くなることは覚悟しておきましょう。
裁判と平行して貸金業者と話し合いの交渉をして、希望する過払い金だった場合は和解することができます。
裁判をする前の話し合いの時よりも、返ってくる過払い金は大きくなり入金される期限も早くなる内容で提案されます。
しかし、判决が出るまえに和解すると、過払い金の支払いに遅れたり支払わなかった際に、督促はできますが、強制的に過払い金の支払いをさせる強制執行ができなくなるので注意しましょう。
6.貸金業者から過払い金が返ってくる
貸金業者と話し合いで和解したり、裁判で判決が出れば過払い金が返還されます。
和解をした場合は和解書を作成して数ヵ月後に指定口座に過払い金が入金されます。
裁判で判決が出た場合は、判決内容にもとづいた期間に過払い金が入金されます。
貸金業者や和解・判決内容にもよりますが、判決や和解をしていから約2~6ヵ月で過払い金が返還されるのが一般的です。
5) 過払い金が返ってくるまでのかかる期間を早くする3つの方法
過払い金請求にかかる期間を早くする方法は以下の3つがあり、自分の状況にあわせた方法を選ぶことが重要です。
- 司法書士や弁護士に依頼
- 話し合いで和解
- 少額訴訟
過払い金請求を得意とする司法書士や弁護士に依頼する
過払い金請求を司法書士や弁護士に依頼すると費用はかかりますが、取引履歴の取り寄せや過払い金の計算など、すべての手続きがスムーズに進みます。
過払い金請求を得意とする司法書士や弁護士であれば、貸金業者との交渉にも慣れているため、お金が返ってくるまでの期間が早くなるだけでなく、返ってくる金額が多くなる可能性もあります。
依頼する事務所によって期間は変わる
過払い金が戻ってくる期間は、依頼する事務所の対応力によって左右されます。
話し合いによる交渉でスピード解決が得意な事務所や、裁判をして戻ってくる金額を多くすることが得意な事務所があります。
自分が希望するのは期間を早めることなのか、過払い金を多くすることなのかを司法書士や弁護士に相談した時に伝えるようにしましょう。
貸金業者と話し合いで和解する
過払い金請求は話し合いで和解する方法と裁判をする方法がありますが、裁判をすると1年以上かかるケースもあります。
返ってくるお金が少なくても過払い金を早く回収したい場合は、裁判をせずに貸金業者との話し合いで和解するほうがよいでしょう。
少額訴訟を検討する
少額訴訟とは、過払い金の額が60万円以下の時に利用できる1日で審理が終わる裁判の手続きです。
最短だと即日で判決が出ますが、過払い金が確定していない場合は貸金業者が通常の裁判への移行を申し立てるケースがあります。
過払い金請求にかかる期間を早くするには杉山事務所
杉山事務所には、これまでの実績による豊富な交渉ノウハウがあります。また、過払い金請求の手続き、ひとつひとつをスピーディーに対応いたします。
過払い金請求にかかる期間は解決方法によって早くなったり、遅くなったりします。
返ってくる過払い金が少なくても早く回収したいのか、時間がかかっても過払い金の金額を多くしたいのかを選択し、過払い金請求の解決方法を決める必要があります。
当事務所では、「早く過払い金を回収してほしい」、「回収する過払い金を多くしたい」といった要望をお聞きし、依頼者様に満足していただける解決方法を提案いたします。
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