過払い金に5%の利息をつけて取り戻す方法と取り戻せる条件
過払い金が発生していれば、5%の利息をつけて取り戻すことができます。ただし、利息をつけて過払い金を取り戻すためにはいくつかの条件があります。
利息をつけて過払い金を取り戻すには、過払い金請求の裁判で勝訴する必要があります。経験のない方が過払い金請求の裁判で勝訴するのはむずかしいので、司法書士や弁護士に依頼する必要があります。
杉山事務所では、過払い金があるのか、あればいくらなのか無料で調べることもできます。また、相談者様の希望に合わせた最適な過払い金請求の方法をお伝えしますので、まずは気軽に無料相談をご利用ください。
過払い金を5%の利息付きで回収する方法
もくじ(メニュー)
- 1) 過払い金とは支払いすぎた利息
- 2) 過払い金は利息付きで回収できる
- 3) 過払い金を利息付きで回収する方法
- 4) 過払い金と利息があるか調べる方法
- 5) 利息付きで回収する際の注意点
- 6) 過払い金を利息付きで回収する場合
1) 過払い金とは貸金業者に支払いすぎた利息
お金を借り入れするときの上限金利は利息制限法・出資法で定められています。利息制限法が20%なのに対して、出資法は29.2%で、多くの貸金業者は出資法の上限金利である29.2%で貸付していました。
2010年6月に貸金業法と出資法が改正されて、上限金利は出資法で定められている29.2%から、利息制限法で定めている20.0%へ引き下げられました。
貸金業法と出資法が改正される2010年6月より前から借り入れをしていれば、利息制限法(20%)と出資法(29.2%)の上限金利の差(グレーゾーン金利)が払い過ぎていた利息、つまり過払い金となって、貸金業者に返還請求できます。
利息制限法で定められている上限金利は借り入れ金額によって変わります。10万円未満であれば20%、10万円以上100万円未満であれば18%、100万円以上であれば15%となります。
たとえば、アコムは最大27.375%の金利をとっていましたが、利息制限法の上限金利は最大20%なので、差分である7.375%がグレーゾーン金利であり、過払い金としてアコムに請求することができます。
2) 過払い金は利息付きで回収できる
過払い金請求は民法703条で規定されていて、法律上の理由なく不当に得ていた利得に対して返還を求める「不当利得返還請求」にあたります。
過払い金は利息制限法の上限金利を超えて支払った利息であって、貸金業者が不当に得た利得なので、利息付きで請求できます。
過払い金の返還で請求できる利息は5%
過払い金の利息は、民事法定利率の5%と決められています。
以前、民事法定利率の5%か、商事法定利率の6%で争われていましたが、2007年2月の最高裁判所の判決にて過払い金の利息は5%になりました。
「借主を守る目的で作られた利息制限法の規定によって生じた過払い金に営利性はなく、商行為によって生じた債権とはいえないので、過払い金の利息は5%とする」という結論が出たためです。
ただし、利息付きで回収するには、貸金業者が「悪意の受益者」であることを証明する必要があります。
悪意の受益者とは
悪意の受益者とは、過払い金があることを知っていたのにもかかわらず利息を得ていた者を指します。
悪意の受益者であることを証明するとなると、むずかしく聞こえるかもしれませんが、貸金業者が利息制限法の上限金利を知らなかったとは考えにくいので、ほとんどのケースで悪意の受益者であるとされています。
以前、賃金業者は悪意の受益者であっても、過去に利息制限法1条2項・4条2項と貸金業規制法によって定められていた「みなし弁済」を理由に支払いを拒否することがありましたが、2010年6月18日には貸金業法と出資法が改正されたことによってみなし弁済は撤廃されています。
みなし弁済とは利息制限法の上限金利を越えた利息や遅延損害金でも、任意に支払うと返還請求することができないという制度です。
多くのケースで過払い金の利息は不当に得ていた利息であったと認められています。
グレーゾーン金利、悪意の受益者、みなし弁済など聞きなれない言葉がでてきてよくわからないかもしれませんが、むずかしい法律のことを理解しなくても過払い金請求はできるのでご安心ください。
「過去の借り入れには過払い金が発生している可能性があって、利息付きでお金が戻ってくるかもしれない」とだけわかってもらえれば問題ありません。
過払い金の利息はいつから付くのか
過払い金の利息は過払い金が発生した時点で付きます。
過払い金の利息がいつから付くのかについては、貸金業者側の「最後に取引した日から」という意見と、借り入れした側の「過払い金が発生したと時点」という意見で分かれていたので、過払い金請求の裁判では争点になっていました。
しかし、2009年9月4日の最高裁判所にて、「悪意の受益者となる貸金業者は、過払い金が発生した時から利息を支払わなければならない」という判決が出たことで、過払い金の利息は、過払い金が発生した時点から付くことになりました。
過払い金請求をする方の中には取引が長期にわたっている方も多いと思いますが、取引期間が長いほど過払い金の利息も多くなる可能性が高くなります。
3) 過払い金と利息は裁判で取り戻す
過払い金が発生している時点で、貸金業者は悪意の受益者とされるので、利息付きで過払い金を請求できますが、貸金業者と話し合いで交渉した場合、貸金業者は少しでも返還する金額を下げたいので、利息付きで過払い金を返還するという形での和解が成立することがほとんどありません。
そのため、貸金業者から利息付きで過払い金を取り戻すには、裁判で過払い金請求をする必要があります。
過払い金請求の裁判は自分で交渉していくことも可能ですが、必要書類の作成、平日の日中に裁判所に出向く必要があるうえ、貸金業者との交渉は、手間や時間がかかってしまいます。
また、いくら裁判で有利になっているとはいえ、過払い金の知識のない一般の方が貸金業者を相手にするのはむずかしいので、過払い金請求の裁判は司法書士・弁護士に依頼する方が多いです。
過払い金請求の裁判を司法書士・弁護士に依頼することによって、過払い金が返ってくるまでに必要な手続きをすべて任せることができて、貸金業者との交渉もスムーズに進められます。
4) 過払い金と利息がいくら発生しているか調べる方法
過払い金請求をするには、下記の手順で過払い金と利息がいくら発生しているかを調べる必要があります。
- 貸金業者から取引履歴を取り寄せる
- 取引履歴をもとに引き直し計算する
過払い金と利息を調べるには、貸金業者からいつ、何パーセントの金利でいくら借りて、いつ、いくらで返済したかわかる取引履歴を取り寄せることからはじめます。
つぎに、お金を借り入れするときの上限金利が定められている利息制限法にしたがった引き直し計算(利息の再計算を)して、過払い金の金額を算出します。過払い金の引き直し計算は、インターネット上で公開されている引き直し計算ソフトをつかって計算することが可能です。
引き直し計算は過払い金請求においてとても重要です。引き直し計算を間違えると過払い金が少なくなる、過払い金請求を断られる可能性があるため慎重におこなわなければなりません。
正確な過払い金を知るためには、司法書士・弁護士に計算してもらうのが確実です。
過払い金が発生した時点で利息が付きますが、自分がいつから過払い金が発生しているか調べないといけません。
自分で調べることもできますが、貸金業者と直接やり取りをしなければならないため、ご家族にバレるリスクがあります。司法書士・弁護士にご相談いただければ、ご家族に内緒で過払い金があるか調べることが可能です。
5) 過払い金請求を利息付きで回収する際の注意点
過払い金は時間が経つことでの時効成立や貸金業者の経営不振によって過払い金が回収できなくなる可能性があるので、過払い金があるとわかったら早めに過払い金請求する必要があります。
過払い金請求の時効期限に注意
過払い金請求には期限があって、最後に取引した日(完済もしくは返済)から10年が経過すると時効が成立するので、たとえ司法書士・弁護士であっても、過払い金も利息も取り戻すことはできません。
過払い金が発生している可能性があって、最後の取引をした日から時間がたっている方は、時効が迫っている可能性があるので、少しでも早く司法書士・弁護士に過払い金があるのか、いくらあるのかを調べてもらうべきです。
貸金業者の経営状況に注意
貸金業者が倒産してしまうと過払い金も利息も回収できなくなってしまうため、経営状況には注意しなければなりません。
大手貸金業者であった「武富士」のように、過払い金請求をする人が増えたことが影響して、経営状況が悪化し倒産している貸金業者があります。
また、倒産とまではいかなくても、経営状況が悪い貸金業者は、過払い金請求に対する予算が少なくなっているので、返ってくるお金が少なくなる可能性が高くて、利息付きで回収することがむずかしい場合もあります。
経営が悪化して、取り戻せるはずの過払い金を取り戻せなくなるまえに、過払い金請求の手続きをするべきです。
過払い金請求ができなくなる民法705条に注意
民法705条には、「過払い金が発生していることを知っていながら、返済を続けていた場合は過払い金が返還されない」とあることから、現在も返済中の方で過払い金があったとしても取り戻せない可能性があります。過払い金が発生していることがわかったらすぐに、司法書士・弁護士にご相談ください。
司法書士・弁護士に相談する際には、「過払い金を利息付きで回収したい」と必ずお伝えください。
過払い金請求は誰がやっても同じ結果になるわけではなくて、司法書士・弁護士によっては、裁判をしないで解決スピード重視で過払い金を回収するのが得意な事務所もあるので、裁判をしてもらえるのかを事前に聞いておくことが重要です。
6) 過払い金を利息付きで回収したい方は杉山事務所
過払い金は利息付きで回収することができますが、過払い金を利息付きで取り戻すためには、過払い金請求の裁判をすることになる可能性が高いです。
また、貸金業者を相手に自分で裁判をするのはむずかしいので、まずは司法書士・弁護士にご相談ください。
杉山事務所では月10,000件以上の借金に関する相談に対応しており※2、過払い金を利息付きで回収した実績も多くあります。
過払い金についての相談をはじめ、過払い金がいくらあるのか診断も無料で承っていますので、お気軽にフリーダイヤルやメールフォームからお問い合わせください。
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