過払い金請求は裁判をすることで過払い金の回収額が多くなる

過払い金請求は、貸金業者が提示してきた過払い金の額や支払い期限、方法に納得できない場合、裁判をすることができます。裁判をするとより多くの過払い金を取り戻せる可能性が高くなります。

しかし、過払い金請求の裁判をすると時間と費用がかかるため、返ってくる過払い金の額を重視するか、少なくてもいいから早く取り戻すかによって、裁判をする・しないの判断が求められます。過払い金請求の裁判は過払い金請求の専門知識や法律の知識が必要になるため、一般的には司法書士や弁護士に依頼しておこないます。過払い金請求の裁判のメリットだけでなく、デメリットや、裁判で争点となるポイントを紹介しますので過払い金請求の裁判をするか、しないかの参考にしてください。

貸金業者との交渉次第で過払い金請求の裁判をする

過払い金請求は貸金業者との交渉で返ってくる過払い金が決まります。貸金業者が提案してきた過払い金や支払い期限、方法に納得できない場合は過払い金請求の裁判をします。「裁判」といわれると恐いイメージや、時間や費用がかかるため避けたいと考える人もいると思います。しかし、過払い金請求の裁判をすることで返ってくる過払い金が多くなる可能性が高く、貸金業者と話し合いの交渉を続けるよりもスムーズに手続きが進むこともあります。貸金業者によっては裁判をしなければ過払い金を取り戻せない貸金業者もあります。

過払い金請求の裁判には争点となるポイントがあるので、事前に過払い金請求に関する知識を知っているとスムーズに過払い金請求の裁判を進めることができます。しかし、裁判の準備は手間がかかりますし、貸金業者との交渉もスムーズにいかないことが多いため、過払い金請求の実績やノウハウが豊富な司法書士や弁護士に相談するのがおすすめです。

杉山事務所では過払い金請求の進め方について、裁判をした場合・しなかった場合の回収額と費用の見積りを事前に説明させていただきます。費用対効果が少ない場合、無理に裁判をすることはありません。依頼者様にとってベストなご提案をして、ご納得いただいた上で手続きを進めていきますのでご安心ください。

裁判をすることで返ってくる過払い金が多くなる可能性がある

裁判をしない場合よりも裁判をしたほうが、返ってくる過払い金は多くなる可能性が高いです。裁判によって返ってくる過払い金が多くなる理由は、貸金業者の話し合いで交渉をする部署と、裁判を担当する部署が異なり過払い金の返還割合の権限に差があるため、裁判をしたほうがより多くの過払い金を交渉できるからです。

過払い金請求の裁判は自分で進めることもできますが、貸金業者は相手が個人だと強気な姿勢で不当な条件を提示してくる可能性が高いです。貸金業者と和解してしまうと和解内容の変更はできなくなるので、和解する前に過払い金が多く回収できるように司法書士や弁護士に相談してください。過払い金請求の裁判を司法書士や弁護士に依頼する場合は、費用と返ってくる過払い金を比較して得られる金額が少なくならないようにする必要があります。

過払い金は和解か裁判で返ってくる過払い金が変わる

返ってくる過払い金は、裁判しないで和解・裁判中に和解・判決のどれかで決まります。

裁判をしないで和解した場合

裁判前の和解では貸金業者の交渉担当者と話し合いをして過払い金の返還金額を決めていきます。自分で交渉する場合、過払い金請求や法律に関する知識がなければ、貸金業者にとって都合の良い金額で和解が成立させられることがあるため注意が必要です。交渉内容によっては発生している過払い金よりも少ない金額になることもあります。

裁判中に和解した場合

裁判中の和解は貸金業者の裁判担当者が交渉や対応をすることになり、裁判前の交渉担当者よりもより多くの過払い金を交渉することができます。一般的に支払期限を早くするから○割で和解してほしい、などと提案してきます。

裁判で判決がでた場合

裁判中に和解が成立しない場合は判決によって過払い金の返還金額が決まります。貸金業者の経営状況によって変わりますが、過払い金を満額で回収できたり、5%の利息付き取り戻せる可能性が高くなります。また、判決がでた場合のみ、裁判後に貸金業者が判決内容に従わなかった際に強制執行をおこなうことができます。

過払い金請求で裁判をするデメリット

過払い金が返ってくるまでに時間がかかる

返ってくる過払い金が多くなるメリットがある半面、裁判をすることで 返ってくるまでの期間が長くなるデメリットがあります。裁判は基本的に月に一回のペースでおこなわれ、一部の貸金業者では、和解か判決が出るまで続くので長期化する可能性があります。

裁判費用がかかる

貸金業者と話し合いで和解するよりも費用がかかります。司法書士や弁護士に依頼して裁判をすると、裁判費用が別途かかります。費用を抑えるために自分で裁判をする人もいますが、裁判に必要な書類の作成や裁判所への出頭などやるべきことが多く、過払い金請求や法律に関する知識がない人にはむずかしいです。司法書士や弁護士に依頼した方が裁判にかかる手間も少なく、返ってくる過払い金が多くなる可能性も高いです。 過払い金請求を自分で進めていた人も、裁判になって司法書士や弁護士に依頼するといったケースがあります。

司法書士や弁護士に依頼した過払い金請求の裁判の流れと期間

司法書士や弁護士に過払い金請求を依頼した場合、貸金業者との交渉はもちろん、過払い金請求に必要な書類の準備なども任せることができます。面倒だと思われがちな過払い金請求ですが、司法書士や弁護士に依頼することでほとんど手間がかかりません。依頼した事務所からは定期的に報告があるので、要望があればしっかりと伝えましょう。過払い金請求の裁判をした場合、約4カ月~約1年で過払い金が返ってきます

過払い金請求の裁判の流れ

裁判所に訴状を提出する

裁判をするには、下記の書類を裁判所へ提出します。提出した書類に不備がなければ受理してもらい、その後、第一回口頭弁論の日時や和解の有無などを記入する照会書が届くので、必要な箇所を記入して郵送またはFAXで裁判所へ送ります。

裁判に必要な書類

口頭弁論がおこなわれる

第一回口頭弁論がおこなわれるのは訴状を提出してから約1カ月後です。和解がまとまらなければ月に一回ペースで裁判がおこなわれますが、裁判と並行して貸金業者との和解交渉は続きます。裁判中の和解交渉は、話し合いでの交渉の時よりも過払い金を多くしたり、支払い期限は早くする和解案を提示してくるため満足のいく過払い金が返ってくるケースもあります。

和解するか判決がでるまで裁判を続ける

判決がでるまで裁判を続けるのか交渉で和解するのかは、自分の判断によります。最終的には和解か判決によって解決しますが、過払い金や返ってくるまでの期間など納得できる内容で話がまとまることが重要です。

過払い金が入金される

和解した場合は約2カ月~約4ヶ月で過払い金が返ってくることが多いです。判決がでた場合は、判決内容にそった期限までに過払い金が返ってきます。司法書士や弁護士に依頼した場合は事務所の口座に振り込まれた後に、費用を差し引いた金額が指定口座に振り込まれます。

裁判が長くなれば時間はかかりますが、貸金業者と話し合いをダラダラと続けるよりも早く解決できる場合もあります。裁判をすることで返ってくる過払い金が多くなる可能性が高まりますので、かかる期間や費用を比べながら最適な方法を選んでください。

過払い金の裁判を司法書士や弁護士に依頼した時にかかる費用

相談料・着手金

相談料は司法書士や弁護士に相談した際にかかる費用で、多くの事務所は相談料を無料としています。しかし、30分~1時間の相談で5,000円の費用がかかる事務所があるので事前に事務所のホームページなどで調べてから相談してください。

着手金は、司法書士や弁護士に依頼した際にかかる費用で、依頼された内容が解決したかに関係なく発生します。司法書士ではかかる事務所が少ないですが、弁護士ではかかる場合が多いです。着手金は過払い金請求をする貸金業者の数に応じて金額が変わることが多く、1社につき1万円~2万円程度が相場となっています。

基本報酬

基本報酬は過払い金の調査や計算、貸金業者との交渉など過払い金請求の手続きにかかる費用です。司法書士では着手金の代わりに基本報酬がかかる事務所もありますが、着手金も基本報酬の両方がかからない事務所もあります。弁護士は着手金と基本報酬の両方がかかる事務所もあるため確認する必要があります。

司法書士の基本報酬は、日本司法書士会で着手金・基本報酬・解決報酬を含めて最大5万円までと決められており、貸金業者1社につき2万円~3万円程度が相場となっています。弁護士については「適切かつ妥当な金額」とされており上限は決まっていません。

成功報酬

成功報酬は依頼した過払い金請求が成功した際にかかる費用で、回収できた過払い金に対して決められた割合をかけて計算されます。成功報酬は、司法書士や弁護士ともに裁判なしで和解した場合は20%、裁判をした場合は25%と上限が日本司法書士会と日本弁護士連合会で決められています。

収入印紙

過払い金請求の裁判をすると、裁判所へ手数料を収入印紙で納付します。収入印紙代は、請求する過払い金によって変わります。請求する過払い金が100万円以下の場合は10万円につき1,000円あがっていき、100万1円~500万円場合は20万円につき1,000円あがっていきます。500万1円~1000万円までは、50万円ごとに2000円アップします。

郵券代(予納郵券)

郵券代とは、訴状の副本を裁判所から貸金業者へ郵送するためにかかる郵送費用のことです。郵券代は余れば返還され、裁判に勝つことで貸金業者に請求することができます。各裁判所によって金額は異なりますが、貸金業者1社に対して過払い金請求の裁判する場合は約6,000円かかります。

各裁判所の郵券代の一例

代表者事項証明書

過払い金請求の裁判には、代表者事項証明書を裁判所に提出する必要があります。代表者事項証明書とは貸金業者の商号や本店住所、代表者氏名などが記載されている書類で近くの法務局で1通につき600円程度で取得できます。

訴訟手数料・日当交通費等

司法書士や弁護士の中には、過払い金請求の裁判をする際に費用が別途かかる事務所もあります。たとえば、訴訟手数料として貸金業者1社につき5万円、裁判所への出廷する日当交通費として1回につき1万円などです。しかし、訴訟手数料や日当交通費がかからない事務所もたくさんありますので、依頼する前に確認しましょう。

過払い金の裁判を自分でする場合のデメリット

過払い金請求の裁判を自分でするとかかる費用を抑えることはできますが、 知っておくべきデメリットがあります。デメリットを把握して得られるメリットが多い方法を判断してください。

裁判に必要な書類の準備をする必要がある

裁判をするには、訴状だけでなく証拠説明書、取引履歴、引き直し計算書、代表者事項証明書(登記簿謄本)を用意する必要があります。書類作成や取得に慣れている司法書士や弁護士であれば書類を準備するのは簡単なことですが、専門知識がない人が働きながら自分ですべてそろえるのは時間だけでなく労力もかかります

返ってくる過払い金が少なくなる可能性がある

貸金業者は過払い金請求に慣れており、裁判をしてもしなくても相手が個人の場合は強気な姿勢をとってきます。貸金業者に言いくるめられてしまい、せっかく時間をかけて裁判までしたのにも関わらず希望する過払い金が得られない可能性もあります。

過払い金が返ってくるまでに時間がかかる

過払い金請求の裁判を自分でした場合、過払い金が返ってくるまでに早くて約6カ月~長くかかるもので2年以上かかります。過払い金請求や裁判に必要な書類の準備に時間がかかったり、貸金業者との交渉の落としどころがわからず長引くケースが多いです。

平日に裁判所へ行く必要がある

裁判が行われるのは平日であるため、仕事をしている人は休むなどして時間を作る必要があります。過払い金請求の裁判は月に1度おこなわれるため、何度も平日に休むことになり職場や家族に怪しまれる可能性もあります。

家族にバレるリスクがある

過払い金請求や裁判を自分ですると、貸金業者や裁判所からの連絡が自宅にきます。一人暮らしであれば問題ないですが、家族と住んでいる場合は自分が不在中に電話がかかってきたり、貸金業者や裁判所から郵便物が届きます。家族に借金をしていたことや、 過払い金請求がバレたくない人は注意が必要です。

和解や争点となるポイントがわからず裁判期間が長引く

過払い金請求の裁判にはいくつか争点となるポイントがあります。闇雲に裁判を起こすと、和解や争点について理解できていないため裁判が長引いてしまいます。正しい知識を身につけておく必要があり、過払い金請求の裁判を円滑に終わらせるには、裁判を始める前にどれだけ知識を深められるかがポイントです。

過払い金請求の裁判で争点となるポイント

過払い金請求には裁判で争点となるポイントがあり、知っておかなければ裁判が長引いたり、貸金業者の主張が通ってしまい納得のいく過払い金が得られなくなります。過払い金請求で損することなく完了させるために知っておきたいポイントを押さえておきましょう。

同じ契約番号で借入と完済を繰り返している

同じ契約番号で借入と完済を繰り返している場合、ひとつの取引として扱う「一連」とするか、別々の取引として「分断」されていると考えるかによって時効に影響し、戻ってくる過払い金の額が変わります。 一連であるか分断であるかの判断は、個々の借入状況や貸金業者によって変わるためとてもむずかしく、裁判によって判決が下されるケースが多くあります。明確な基準がないため判断がむずかしいですが、完済から次の借入までの空白期間や、それぞれの借入の契約内容で違いがあったかどうかで判断されることが多いです。

一連として扱われた場合

取引が一連として扱われた場合は、取引の中で最新の取引の時効が適応されます。

上記の2つの借入が一連として扱われた場合、本来であれば2004年に完済した借金は2014年3月に時効が成立していますが、2012年6月に完済した借金の時効の成立日が適応されます。それにより、2004年3月に完済した50万円の借金と2012年6月に完済した200万円の借金の両方で発生した過払い金を請求できます。

分断として扱われた場合

取引が分断として扱われた場合は、それぞれの借金の過払い金で時効が有効か無効かという判断が必要です。

上記の2つの借入が分断された取引として扱われた場合、2004年3月に完済した50万円の借金で発生した過払い金は2014年3月に時効が成立して過払い金請求はできません。過払い金請求ができるのは、2013年6月に完済をした200万円の借金で発生した過払い金のみとなります。

期限の利益喪失・遅延損害金の利率による計算主張

過払い金請求の裁判では、貸金業者が期限の利益喪失を主張してくることがあります。期限の利益とは「分割払いの期限まで支払いを待ってもらえる利益」のことで、借主が返済を延滞や滞納したときに返済の期限まで支払いを待ってもらうことができるという内容です。

貸金業者が「借主はこの期限の利益を失ったので遅延損害金利率で計算すべき」と裁判で主張して認められた場合、過払い金がなくなるだけでなく、借金の一括返済を求められる可能性があります。遅延損害金利率とは 返済の延滞や滞納があった場合、貸し付けた金利の1.46倍の利率で計算しなおして借主に請求できるというものです。期限の利益損失に当たるかどうかは貸金業者の対応によって異なるので、長期にわたって返済を延滞や滞納したことがある人は注意が必要です。

和解後の過払い金請求

貸金業者と借主の間で過払い金請求をする前に月々の返済や金利を下げる和解交渉があったとします。過払い金請求をする前に月々の返済や金利を下げる和解をした場合、和解交渉を貸金業者と借主のどちらから提案したのかや、現在の債務の状況によって過払い金請求できるか変わってきます。過払い金請求をする前に、貸金業者と話し合って和解したからといってあきらめずに司法書士や弁護士に相談してください。

過払い金を5%の利息付きで請求する

過払い金は5%の利息付きで請求することができます。過払い金を利息付きで請求するには、貸金業者が「悪意の受益者である」ということを証明する必要があります。悪意の受益者であるかどうかは、貸金業者が借主に過払い金が発生していることを知りながら、借主から不当に利息を得ていたかによって判断されます。

貸金業者が取引履歴を処分していた場合

取引履歴を一定期間、保管したあと処分している貸金業者があります。取引履歴がない場合は、通帳の引き落とし履歴や、公開されている取引履歴から処分された期間の取引を推測して引き直し計算(推定計算)して過払い金を算出します。貸金業者は、推定計算の内容や使われた通帳の引き落とし履歴などが信頼できるものかを争ってきます。

過払い金請求の裁判をする・しないを決めるまえに杉山事務所に相談

過払い金請求の裁判をする前に「返ってくる過払い金を多くしたい」のか「返ってくるまでの期間を早くしたい」のか、どちらを希望するのかが重要です。裁判をしたほうがより多くの過払い金を取り戻せる可能性がありますが、金額は少なくていいから早く取り戻したいなら、裁判をせずに話し合いだけで解決する方法もあります。どちらにしても貸金業者との交渉が必要ですので、司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。

裁判する・しないにかかわらず借入状況や要望を杉山事務所にご相談ください。杉山事務所は過払い金請求に特化した認定司法書士が多く在籍しており、月10,000件以上の借金に関する相談に対応しています。個々の借入状況や要望にあった満足のいく解決方法をご提案しますので、お気軽にフリーダイヤル・メールフォームからお問い合わせください。

過払い金請求は無料相談をご利用ください。

ひとりで悩まず、まずは相談ください。 0120390040 0120400128 0120800095 0120192031 0120207003 0120602012 0120594051 過払い金請求のお問い合わせ

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