過払い金請求を自分でする方法と必ず知っておくべきデメリット

「過払い金請求は自分でする方法が知りたい」
「費用をかけずに過払い金請求がしたい」

払い過ぎた利息を取り戻す過払い金請求は、司法書士や弁護士に依頼することも自分で手続きすることもできます。
たしかに、過払い金請求を自分ですれば司法書士や弁護士に依頼する費用を抑えることができます。

しかし、過払い金請求を自分でするとデメリットが多くあることをご存知ですか?

さらっと紹介しただけでもこれだけのデメリットがあります。
ここでは、過払い金請求を自分でする方法だけでなく、必ず知っておくべきデメリットについてもわかりやすく説明しています。

貸金業者は交渉相手が司法書士や弁護士ではなく個人の場合、対応を後回しにしたり、不当な内容で和解をもちかけてくることがあります。

過払い金請求を自分でする前に知っておくべき注意点についても詳しくお話ししますので、最後まで読んでいただければ幸いです。

過払い金請求を自分でする場合のデメリット・メリット

過払い金請求を自分でする前に、まずは自分ですることのデメリットとメリットを知っておくことが重要です。

過払い金請求は自分ですることで費用を抑えられるメリットがあります。
しかし、司法書士や弁護士に依頼した場合よりも、

とデメリットが多くあり、理解しておかなければ損をする可能性が高いです。

過払い金請求を自分でする場合のデメリット

過払い金請求を自分でする場合のデメリットを詳しく説明します。

過払い金請求に必要な書類・知識の準備などに手間と時間がかかる

過払い金請求を自分でする場合、以下の書類をすべて自分で用意する必要があり、手間と時間がかかります。

書類の準備だけではなく、引き直し計算の方法や、過払い金請求の裁判の争点となるポイントなど、過払い金請求や法律に関する知識を調べるのに手間と時間とかかります。
過払い金請求の知識が不足していることで、過払い金が少なくなったり、返ってくるまでに時間がかかったり、過払い金請求ができなくなる可能性があります。

また、書類の準備や、知識を調べる以外にも、裁判をした場合は平日におこなわれるので仕事を休んで出廷する手間があります。

返ってくる過払い金が少なくなる

過払い金の引き直し計算は計算結果を間違えると、返ってくる過払い金が少なくなったり、過払い金請求を断られる可能性があります。
過払い金の引き直し計算は複雑でむずかしく、知識と経験が必要です。

また、貸金業者は交渉の相手が知識のない素人だと、過払い金を少なくしたり、支払い方法を分割払いにしたり、期限を先延ばしにする提案をしてきます。

過払い金請求ができなくなる

過払い金請求は最後に取引した日から10年をすぎると時効が成立して手続きができなくなります。
過払い金請求の書類の準備や、情報を集めるのに時間がかかりすぎると、時効が成立する可能性があります。

また、貸金業者によっては 過払い金請求の時効が成立してなくても、過払い金を請求する貸金業者が倒産していると過払い金請求はできません。
過払い金請求をする人が増えたことが影響で経営状況が悪化している貸金業者は多いので注意が必要です。

大手貸金業者だから倒産しないという保証はなく、過去に大手貸金業者であった武富士は過払い金請求が影響して経営不振に陥り倒産しました。
倒産していなくても、経営状況が悪ければ返ってくる過払い金が少なくなる可能性が高いのですぐに過払い金請求をしましょう。

借金していたことや過払い金請求が家族にバレる

過払い金請求を自分ですると、裁判所や貸金業者からの連絡や書類がすべて自宅に届くので家族にバレるリスクが高いです。

過払い金請求を自分でした場合のメリット

過払い金請求を自分でするメリットは、かかる費用を抑えられることです。
しかし、費用を安くすることだけに目を向けてしまうと、多くのデメリットの影響を受けて結果的に損をする可能性があります。

費用だけでなく、返ってくる過払い金やかかる手間や時間などを総合的に考えて、過払い金請求を自分でするか決めるべきです。

過払い金請求を自分でする方法

過払い金請求は以下の流れで手続きを進めます。

1.貸金業者から取引履歴を取り寄せる

過払い金請求をする貸金業者から取引履歴を取り寄せます。
取引履歴には、過払い金を計算するのに必要な借入をした時の利息、借入や返済の金額、日付が記載されています。

取引履歴は貸金業者に電話、FAX、郵送で取り寄せできますが、自宅に連絡や郵送されたくない方は、直接店舗へ行って申し込み・受け取りができる貸金業者もあります。
貸金業者によっては、取引履歴を取り寄せるのに約1,000円の手数料がかかることがあるので注意してください。

FAXや郵送で取引履歴を取り寄せる

FAXや郵送で取引履歴を取り寄せるには、以下の内容を記載した「取引履歴開示請求書」を本人確認ができる運転免許証やパスポートなどのコピーと一緒に貸金業者に送ってください。

2.過払い金の引き直し計算をする

取引履歴を貸金業者から取り寄せたら、記載されている借入をした時の利息、借入や返済の金額、日付をつかって利息制限法にもとづいた過払い金の引き直し計算をします。
利息制限法の上限金利は、借入額が10万円未満は20%以下、10万円以上100万円未満は18%以下、100万円以上は15%以下で、この上限金利を超える利息で返済をしていた分が過払い金です。

過払い金の引き直し計算は、インターネットで過払い金計算ソフトをダウンロードして、Excelの使えるパソコンで計算できます。
過払い金の引き直し計算を自分で簡単にする方法」で詳しく説明していますので参考にしてください。

過払い金の引き直し計算を間違えて貸金業者に過払い金請求すると、本来返ってくる過払い金より少なくなったり、過払い金請求を断られることがあるので正確に計算しましょう。

3.貸金業者に過払い金返還請求書を送付する

過払い金額がわかったら、過払い金請求をする貸金業者に以下の内容を記載した「過払い金返還請求書」と引き直し計算書を内容証明郵便で送ります。
内容証明郵便で送ると送料は高くなりますが、誰が・いつ・誰に送ったのかを証明できて、「過払い金返還請求書なんて届いていない」といった貸金業者からの主張を防ぎます。

4.貸金業者と話し合いによる交渉をする

過払い金返還請求書を送ったあと、貸金業者から連絡があり話し合いで過払い金や支払い方法、支払う期限の交渉をします。

貸金業者は、過払い金請求の交渉に慣れているため、過払い金を1円でも少なく、1日でも遅く支払う交渉をしてきます。
貸金業者から言われるがまま話をすすめてしまうと返ってくる過払い金が少なくなったり、過払い金を分割で支払われたり、支払い期限を先延ばしにされるので交渉力が必要です。

貸金業者から提案された過払い金や支払い方法、支払う期限に納得できない場合は裁判をします。
貸金業者と話し合いで和解した場合は、指定した口座に過払い金が振り込まれます。

5.過払い金請求の裁判をする

過払い金請求の裁判は、貸金業者と話し合いで和解した場合よりも手間と時間がかかりますが、返ってくる過払い金が多くなる可能性があります。
過払い金請求の裁判をする場合、裁判をするための書類の準備や、裁判所へ行く必要があります。 裁判に必要な書類は以下のものです。

裁判に必要な書類を用意したあと、裁判所へ訴訟を起こして、過払い金や支払い方法、支払う期限を判決がでるまで主張します。
裁判をしている最中も貸金業者と過払い金や支払い方法、支払う期限の和解交渉は続きます。

貸金業者からの和解内容は、話し合いで交渉したときよりも返ってくる過払い金が多くなっている場合が多く、判决がでる前に和解することも可能です。
しかし、判决がでる前に和解した場合、貸金業者が過払い金の支払いに遅れたり、支払わなかった場合に、督促はできますが、強制執行で強制的に過払い金の支払いをさせることができないので注意してください。

6.貸金業者から過払い金が返ってくる

貸金業者との交渉で和解をするか、裁判で判决がでたあとに、過払い金が口座に振り込まれます。
和解時に作成される和解書や判決内容に応じた過払い金が振り込まれます。
過払い金が振り込まれるのは約2ヵ月~4ヵ月が目安となっています。

手続きの途中で司法書士や弁護士のアドバイスが欲しくなった場合

いざ、過払い金請求を自分でしようと進めてみたものの、不明点や不安がでてくると思います。
そういったときは相談が無料の司法書士や弁護士に相談しましょう。

具体的な質問やアドバイスがもらえるかもしれません。
そのまま司法書士や弁護士に依頼して、過払い金請求を途中からやってもらうことも可能です。

わからないことは放置せずに、気軽に司法書士や弁護士相談してください。

過払い金請求を自分でした場合にかかる費用

過払い金請求を自分でする場合、かかる費用をさえることができますが、まったくお金がかからないわけではありません。
とくに過払い金請求の裁判をする場合は、いくらかの費用はかかるので注意しましょう。

取引履歴を取り寄せる手数料

貸金業者によって取引履歴を取り寄せるのに手数料が約1,000円かかります。

内容証明郵便代

過払い金請求をする貸金業者に過払い金返還請求書を送るのに約1200円~1500円かかります。

印紙代

印紙代とは過払い金の請求額によって支払う金額が変わる裁判の申立手数料のことです。

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